「メルカリ」の業績が好調! 物価高の今、リユース業界が成長を続けている理由とは?
本記事では、フリマアプリの代表格であるメルカリの躍進を手がかりに、注目を集めるリユース市場の裏側を見ていきましょう。
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メルカリが営業利益58.9%増の好調決算
2025年5月7日に発表された株式会社メルカリの「2025年6月期 第3四半期決算短信[IFRS](連結)」によると、売上収益は前年同期比2.3%増の1440億6700万円、営業利益は同58.9%増の203億3600万円と、大幅な増益を達成しました。
特に日本国内のマーケットプレイス事業が堅調で、GMV(流通取引総額)は前年同期比5%増の8460億円を記録しています。また、Fintech事業も成長を続けており、コア営業利益は34億円となりました。
この好調な業績の背景には、AIやLLMを活用したUI/UXの刷新、高価格帯カテゴリーの強化、越境取引やBtoC取引の拡大など、プロダクト施策とマーケティング施策の効果が挙げられます。また、Fintech事業では「定額払い」債権の成長が牽引し、債権残高は2263億円に達し、債権回収率は99.0%と高い水準を維持しています。
リユース市場、2030年には4兆円規模へ拡大見込み
日本国内のリユース市場は、2022年に約2.9兆円に達しており、2025年には市場規模が3.25兆円、2030年には4兆円を超えると予測されています。この成長の背景には、SDGsの推進による世界的な取り組み、フリマアプリやリユースECの拡大などが挙げられます。
特に、フリマアプリやリユースECの普及により、CtoC取引が急成長しました。また、日本製の中古品は品質の高さから海外市場でも高評価を得ており、越境ECの活発化が市場拡大を後押ししています。
物価高と環境意識の高まりがリユース市場を後押し
物価の上昇により、消費者の生活防衛意識が高まり、中古品への関心が高まっています。さらに、訪日観光客によるインバウンド需要の回復も、市場拡大を後押ししました。
リユース業界は不況に強いビジネスモデルとされ、経済が低迷する局面では節約志向が強まり、新品よりリユース品を選ぶ傾向が顕著になります。
また、環境意識の高まりにより、「使い捨て」から「再利用」へと消費行動が変化していることも、リユース市場の成長を支える要因となっています。
まとめ
メルカリの好調な業績やリユース市場の拡大は、物価高や環境意識の高まりといった社会的背景と密接に関連しています。今後も、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展や越境ECの活発化により、リユース業界はさらなる成長が期待されます。
企業や消費者が共に持続可能な社会を目指す中で、リユース市場の重要性は一層高まっていくでしょう。
出典
株式会社メルカリ 2025年6月期 第3四半期決算短信[IFRS](連結)(2ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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