保育料が「月5万円」というママ友は高収入なのでしょうか?保育料が決定される仕組みや安くする方法を教えてください。
このとき「保育料が月5万円」という家庭は、どのくらいの年収を得ているのか気になる人がいるかもしれません。今回は、保育料が決定される仕組みや、保育料を安くするための「住民税の控除」について解説します。
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保育料「月5万円」は高い?所得との関係性
保育料について、国が定めている利用者負担(月額)の上限額は表1の通りです。
表1
| 年収 | 利用負担の上限額 (保育標準時間) |
利用負担の上限額 (保育短時間) |
|---|---|---|
| ~約260万円 (市町村民税 非課税世帯) |
9000円 | 9000円 |
| 約260万円~約330万円 | 1万9500円 | 1万9300円 |
| 約330万円~約360万円 | 3万円 | 2万9600円 |
| 約360万円~約470万円 | ||
| 約470万円~約640万円 | 4万4500円 | 4万3900円 |
| 約640万円~約930万円 | 6万1000円 | 6万100円 |
| 約930万円~1130万円 | 8万円 | 7万8800円 |
| 1130万円~ | 10万4000円 | 10万2400円 |
※文部科学省「幼児教育の無償化に係る参考資料」を基に筆者作成
「幼児教育・保育の無償化」によって3歳~5歳児クラスの保育料は無料となっているため、保育料が発生するのは住民税課税世帯の0歳~2歳児クラスであり、保育料が「月5万円」発生しているのは年収が約640万円~約930万円の世帯であることが分かります。
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」にて全体平均給与は「460万円」と公表されているため、平均給与を上回る高収入の世帯といえるでしょう。ただし、表1は利用負担の上限額であり、保育料は国が定める上限額の範囲内で各自治体が定めていることから、あくまで目安として参考程度に留めてください。
保育料を決定する「住民税」を減らす方法
保育料の基準となるのは「住民税の課税額」であるため、自治体ごとの階層区分表に基づいて決定されます。そのため、同じ額の住民税であっても、お住まいの自治体によって保育料が異なるケースもあるでしょう。
保育料を安くする最善策は「住民税を減らす」ことであるため、控除を活用して住民税を下げることで保育料を安くすることができます。控除を利用することで保育料の減額だけでなく節税対策にもなるため、仕組みや条件を正しく理解して家計の負担軽減に役立てましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する
iDeCoとは「老後のために年金を積み立てられる制度」であり、その積立金を所得控除の対象にできます。掛金が全額所得控除されるため、積立金が多いほど税金を節約可能です。
ただし、iDeCoは「老後の資産形成を目的とした制度」であり、原則途中解約ができず、60歳まで資産を引き出すことができない点に注意しましょう。
生命保険控除を受ける
生命保険料控除とは、生命保険・介護医療保険・個人年金保険に支払った保険料の一部を所得控除として申告することで税金を節約できる制度です。iDeCoのように掛金の全額を控除できるわけではありませんが、組み合わせによって最高12万円まで控除できます。
生命保険に加入している人なら誰でも利用できるため、積極的に活用するとよいでしょう。
医療費控除を受ける
医療費控除は、自分または生計を一にする配偶者などが支払った医療費の一部を所得税や住民税から控除する制度であり、年間の医療費の合計が一定額を超えた際に超過分を控除できます。
控除額は最高200万円までで、控除対象となる医療費の範囲が限られており、一定の条件を満たす必要がある点には注意が必要です。
保育料「月5万円」は高収入の可能性あり!控除を活用して保育料を減らす工夫をしよう
保育料が「月5万円」発生している場合、「その家庭は、平均を上回る高収入世帯といえるでしょう。ただし、保育料の基準は「住民税の課税額」であり、具体的な費用は自治体によって異なります。
「保育料にかかる費用を減らしたい」と考えている人は、控除を活用してみましょう。控除にもいくつかの種類があり、利用するには一定の条件を必要とするケースもあるため「どの控除を活用できるのか?そのための条件はなにか?」についても理解することが大切です。
出典
文部科学省 幼児教育の無償化に係る参考資料
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
