使わなくなった「テレビ」を処分したいです。「無料」で回収してくれる業者があると聞きますが、依頼しても大丈夫でしょうか？

不要になったテレビを処分したいと考えたとき、「無料で回収します」とうたう業者の広告を目にすることがあります。費用がかからず手間も省けるように感じますが、実際には違法業者によるトラブルや不法投棄のリスクが潜んでいます。
 
本記事では、テレビの正しい処分方法や、信頼できる業者の見分け方について解説します。安心・安全にテレビを処分するための参考にしてください。

「無料回収」の甘い言葉に注意！ 違法業者の実態とは

「無料でテレビを回収します」とうたう業者の中には、必要な許可を持たずに営業している違法業者が存在します。環境省のホームページによると、一般家庭から使用済み家電製品を引き取るには「一般廃棄物収集運搬業」の許可、または市区町村の委託が必要ですが、多くの無料回収業者はこの許可を持っていないとされています。
 
ただし、テレビ・洗濯機・冷蔵庫・エアコンの家電4品目は家電リサイクル法の特例により、小売業者の委託など特定の条件下では「産業廃棄物収集運搬業許可」で収集・運搬できる場合もありますが、一般家庭から直接回収する多くの無料回収業者はこの条件を満たしていないケースがほとんどです。
 
違法業者に依頼すると、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。

・回収後に高額な料金を請求される。
・回収したテレビが不法投棄され、環境汚染の原因となる。
・個人情報が漏えいするリスクがある。

こうしたリスクを避けるには、その業者が必要な許可を得ているかどうか、しっかり確認することが大切です。
 

テレビの正しい処分方法とは？ 家電リサイクル法の基本

テレビは「家電リサイクル法」の対象製品であり、適切な方法で処分する必要があります。この法律では、再利用可能な部品や材料をリサイクルすることが義務付けられています。テレビを正しく処分する方法として、以下の選択肢があります。

・購入店に引き取りを依頼する：購入店は、販売した製品の引き取り義務があります。
・家電量販店に依頼する：新しいテレビを購入する際、古いテレビを引き取ってもらえます。
・指定引取場所に持ち込む：郵便局で「家電リサイクル券」を購入し、指定された場所に自分で持ち込む方法です。

これらの方法では、リサイクル料金（テレビの場合は1320円～3700円）と、引き取りを依頼する場合は収集運搬料金（1500円～3000円程度）が必要となります。
 

信頼できる業者の見分け方と、安全な依頼方法

家電量販店での引き取りや、指定引取場所に持ち込みができない場合、信頼できる回収業者を選ぶためには、以下のポイントを確認しましょう。

・許可の有無：「一般廃棄物収集運搬業許可」を持っているか確認します。
・連絡先の明確さ：固定電話番号や事務所の住所が明記されているか確認します。
・料金体系の明確さ：事前に見積もりを提示し、追加料金が発生しないか確認します。
・口コミや評判：インターネットでの口コミや評判をチェックし、過去のトラブル事例がないか確認します。

また、テレビがまだ使用可能であれば、リサイクルショップやフリマアプリでの販売も検討できます。製造から5年以内のテレビであれば、買取対象となる可能性があります。
 

まとめ：安心・安全なテレビの処分を選ぶために

「無料回収」をうたう業者に安易に依頼すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。テレビを処分する際は、家電リサイクル法に基づいた正しい方法を選び、信頼できる業者に依頼することが重要です。
 
安心・安全な処分方法を選ぶことで、環境への配慮と自身の安全を確保できます。費用はかかりますが、適切な方法で処分することが、結果的には最も安心できる選択となるでしょう。
 

出典

環境省 いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル！
一般財団法人 家電製品協会 2025年4月版 家電リサイクル リサイクル料金一覧表
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー