「JA」と「全農」って名前は似ているけど何が違うの?ニュースでよく見る“農協”の役割の違い・お金の流れを解説

配信日: 2025.06.04 更新日: 2025.09.26
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「JA」と「全農」って名前は似ているけど何が違うの?ニュースでよく見る“農協”の役割の違い・お金の流れを解説
最近、米の価格高騰や備蓄米放出などがニュースで取り上げられる中、「JA」や「全農」の名前をニュースで見かけた方も多いのではないでしょうか。どちらも農業に関わる組織ですが、具体的にどう違うのか、疑問に思う方もいるでしょう。
 
今回は、JAと全農の役割の違いや組織の規模、お金の流れをわかりやすく解説します。
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JAは「地域の農家のパートナー」、全農は「全国規模の経済中枢」

JA(農業協同組合)と全農(全国農業協同組合連合会)は、いずれも「JAグループ」という同じ組織体系に属しています。
 
JA(農業協同組合)は、地域の農家を直接支える組織です。肥料や農薬などの資材を提供したり、農産物の販売をサポートしたりするほか、JAグループ全体としては、貯金や保険、共済といった金融や生活支援のサービスにも取り組んでいます。
 
こうしたサービスは、JA単体ではなく、各地域のJAと連合会が連携することで提供されており、地域の暮らしを幅広く支える仕組みとなっています。
 
一方の全農(全国農業協同組合連合会)は、肥料や農産物の流通など、JAグループの経済面を全国規模で支える役割を担っています。海外にも拠点を構えており、中国やシンガポールなどで現地企業と連携するなど、国際的な取り組みにも力を入れています。
 

JAと全農の規模の違い

JAは全国に496の組織(令和7年4月時点)があり、農林水産省の「令和5事業年度農業協同組合及び同連合会一斉調査結果」によると、約16万7千人の職員が地域ごとに分散して活動しています。各JAは独立運営され、農家支援から金融サービスまで多角的な事業を展開しています。
 
一方、全農は、全国レベルで事業を展開している組織です。単体では約7800人、グループ全体ではおよそ2万6600人の職員が働いています。また、28カ所の海外拠点も持ち、農産物の販売や資材の供給など、幅広い分野で活動しています。2021年度の事業取扱高は約4.5兆円と、日本の農業経済を支える主要な組織のひとつです。
 

お金の流れを見ると、JAと全農の違いがもっとよくわかる

JAと全農は、どちらも農業に関わる組織ですが、私たちの暮らしのお金とも、それぞれ違ったかたちで関わっています。
 
JAは、地域に根ざした存在で、貯金やローン、保険(JA共済)などを通じて、家計の身近なところで役立っています。農家の支援や販売活動を通じて、地域の農産物が流通する仕組みにも関わっており、暮らしと経済の橋渡しのような役割も担っています。
 
一方、全農は全国規模で動いていて、農産物をスーパーに届けたり、肥料やエサを海外からまとめて仕入れたりしています。こうした活動は、農業の生産や流通を支える大きな役割を担っており、結果的に私たちの暮らしにも関わってきます。
 
JAは生活の近くで家計を支え、全農はその背景で価格や供給を整える役割を担っています。それぞれの違いを知っておくと、ニュースで見かける農業や物価の話題も、より身近に感じられるのではないでしょうか。
 

JAと全農の違いは「地域密着」と「全国支援」

JAと全農は、どちらも「農家を支える」という点では共通しています。ただし、JAは農家と直接向き合う現場型の組織、全農は農業全体を動かす仕組みをつくる組織といえます。
 
価格高騰など食に関する課題が続く中、私たちの暮らしにも関わるこれらの組織がどう動いているのかを知ることは、ニュースの理解や家計の先読みにもつながるでしょう。
 

出典

農林水産省 農業協同組合及び同連合会一斉調査 令和5事業年度農業協同組合及び同連合会一斉調査結果
JA全農 キーワードで知るJA全農
JAグループ JA数の推移
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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