万が一「銀行が破綻」したら預金はどうなる? 元本が「保護」される預金保険制度「ペイオフ」とは?
今回は、日本の預金保険制度の仕組みや対象となる金融機関や預金の種類について解説します。銀行が破綻した場合の保証について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
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日本の預金保険制度
預金保険制度は、預金保険機構により運営されており、対象の金融機関を利用すると、手続き不要で預金者は保証が受けられます。昭和46年に制定された「預金保険法」により、対象の金融機関は、預金保険機構に保険料の納付が義務付けられているためです。
預金保険制度の仕組み
預金保険制度は「ペイオフ方式」(保険金支払方式)と「資金援助方式」の2つの仕組みによって成り立っています。
ペイオフ方式は、預金保険機構から預金者に対して、直接保険金が支払われる仕組みです。資金援助方式は、破綻した金融機関に対して、預金保険機構が合併や譲渡ができるように資金を援助する仕組みです。破綻時の混乱と処理にかかるコストを最小限におさえるために、資金援助方式が優先されています。
金融庁・預金保険機構の資料によると、もし金融機関が合併した場合は、1年間に限り、(合併した金融機関の数)×(預金者一人当たりの元本1000万円)と破綻日までの利息が保護されます。
預金保険制度の対象となる金融機関
預金保険制度の対象となる金融機関は、おもに銀行(国内に本店がある)、信用金庫、信用組合、労働金庫連合会、商工組合中央金庫などです。日本国内に本店のある金融機関は、外国金融機関の子会社でも対象となります。
ただし、外国銀行の在日支店や前述した金融機関の海外支店は対象外となるため、注意しましょう。
もし、同じ金融機関に預金口座が複数ある場合は、一人の預金者が所有する口座の総額を合算して払い戻しを受けることになります。複数の口座を集約して「名寄せ」を行うため、破綻した金融機関が預金者データを正確に把握していないと総額を確定できず、手続きに支障が生じてしまいます。
名寄せには、氏名や生年月日、住所、電話番号などの正確な預金者のデータが必要です。結婚や引っ越しなどで預金者の氏名や住所に変更が生じた場合は、金融機関へ忘れずに届け出ることが大切です。
銀行が破綻した場合に保護される範囲
銀行が破綻した場合に適用される「預金保険制度」の対象と保護される範囲について、表1にまとめました。
表1
| 預金保険制度 | 分類 | 保護される範囲 |
|---|---|---|
| 対象 | 決済用預金 (条件を満たす利息なしの普通預金や当座預金など) |
全額 |
| 上記以外の預金 (利息がつく普通預金や定期預金など) |
・元本1000万円まで (1つの金融機関ごとに合算) ・利息(破綻日まで) |
|
| 対象外 | 外貨預金、譲渡性預金、金融債など | なし |
※筆者作成
預金保険制度では、一般的に利用される普通預金や定期預金などは元本1000万円までと破綻日までの利息が保護されます。超過する部分は、金融機関の財産状況に応じて、倒産手続きにより弁済金や配当金として支払われる場合もあるようです。必ずしも全額保護されるとはいいきれないため、預金者に損失が生じることもあるでしょう。
銀行が破綻しても預金者一人当たり元本1000万円と破綻日までの利息が保護される
万が一、銀行が破綻しても、利息がつく普通預金や定期預金は、預金者一人につき1000万円までの元本と破綻日までの利息が保護されます。対象の金融機関へ1000万円以上預けている場合は、金融機関の破綻状況によっては、戻ってこない可能性があるでしょう。
また、1つの金融機関に預金口座が複数ある場合は、複数の口座を集約する「名寄せ」を行います。そのためには正確なデータが必要になるので、結婚や引っ越しなどで氏名や住所変更が生じた場合は、速やかに金融機関へ届け出ましょう。
出典
金融庁・預金保険機構 預金保険制度
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
