ビジネスホテルが「1泊2万円」もしてビックリ! 昔は7000円くらいで泊まれたのに、ホテル代はなぜ値上げしている?
本記事ではビジネスホテルの料金が高騰している理由について解説していきます。
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目次
ビジネスホテルの料金が高くなった理由
ここ数年で、ビジネスホテルの価格は確実に上がっています。以前のような手頃な価格で宿泊することが難しくなっており、利用者にとっては大きな負担になっているのです。この背景には、社会情勢の変化やホテル業界特有の課題が影響していることが考えられます。
考えられる主な要因は以下のとおりです。
・コロナ禍による経営悪化と感染症対策費用の増加
・深刻な人手不足による人件費の高騰
・サービスの質を高めるための設備投資
・旅行需要の急回復による需給バランスの変化
これらが、現在のビジネスホテルの料金水準を形成しています。今後もこの傾向が続くかどうかは、各要因の変化に左右されると考えられます。それぞれの要因について、さらに詳しく見ていきましょう。
コロナ禍がもたらした料金の変化
新型コロナウイルスの感染拡大は、ビジネスホテルの経営に大きな打撃を与えました。宿泊客が激減したことで、ホテルにお客が入らないなか、建物の維持費や光熱費、従業員の給与といった固定費は変わらず発生するため、経営状況はかなり厳しい状況でした。
さらに、感染症対策として、消毒作業の徹底や換気設備の導入など、新たな費用も発生しています。利用者が安心して滞在できる環境を整えるためには、これらのコストは避けられません。結果として、これらのコストの一部が宿泊料金に反映される形となっています。
人手不足が招くビジネスホテル料金の上昇事情
今のホテル業界では、深刻な人手不足が続いています。特に清掃やフロントのスタッフがなかなか集まらず、人件費が上がっているといわれています。
コロナ禍で一度業界を離れた人が戻らず、採用は難しい状況が続いており、ホテル側も待遇を改善しようと努力していますが、それには費用がかかります。その結果、宿泊料金にも影響がでてしまっていると考えられます。
値下げに頼らない、ホテルが取り組む付加価値の高め方
このところビジネスホテルの多くは、料金を下げて宿泊客を呼びこもうとする手法ではなく、泊まる体験の質を良くすることに力を入れているとされています。
例えば、施設のリフォームや設備の充実はもちろんですが、居心地の良い空間作りや、人を介さないチェックイン機の導入なども進めています。料金をただ安くするのではなく、価値を感じてもらえるサービスを増やすことで、宿泊客の満足度を向上させ、長く選ばれるホテルを目指しているのです。
旅行者増加とホテル不足が招く料金の値上げ事情
コロナ禍が次第に収束して、旅行をする人が増えてきました。2022年10月から始まった「全国旅行支援」や、外国人観光客の受け入れ再開もあって、宿泊者が一気に増えています。そうなると当然ですが需給バランスが崩れ、ホテルの料金は上がりやすくなります。
しかし、ホテル側もコロナ禍で休業したり、閉館してしまったりで、まだ厳しい状況にあるようです。宿泊したい人が増えている一方で、利用できるホテルの数が限られている状況です。
そこに、燃料価格の高騰や物価の上昇が追い打ちをかけています。さまざまなコストが増加している分、宿泊料金に転嫁せざるを得ないのは致し方ないことなのかもしれません。
料金が下がらない今、ビジネスホテルの賢い利用法とは
ビジネスホテルの料金が上がっている背景には、さまざまな要因が複合的に影響していると考えられます。コロナ禍での経営悪化、感染症対策費用の増加、人手不足による人件費の高騰、サービスの質を高めるための投資、そして旅行需要の急回復など、単一の原因ではないようです。
料金が下がるのは難しい状況かもしれません。そのため、私たち利用者側も、早めの予約を心がけたり、時期をずらしたりするなど、少しでもお得に利用できる方法を探す必要がありそうです。
一方で、ホテル業界も例えば、自動チェックイン機を導入することで業務を効率化し、長い目で見た人件費削減に向けた手も打っています。今後のビジネスホテルの動向を注視しつつ、自分に合ったプランやキャンペーンなどをこまめにチェックすることも必要かもしれません。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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