バッティングセンター帰り「金属バット」を車に積んだまま帰宅→友人に「1万円くらい罰金取られるかも」と言われビックリ! 所持が“許される・許されない”例とは?
野球道具として親しまれている金属バットは、使用目的や保管方法によっては法律に抵触する可能性があります。本記事では、多くの人が知らずに違法状態になってしまう金属バットを積みっぱなしにした際に発生する問題について、詳しく解説します。
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金属バットを車に積みっぱなしは違法? 適用される法律と罰則
金属バットを車に積みっぱなしにすると、場合によっては違法になる可能性があります。金属バット自体は銃や刀ではないため銃刀法の規制対象ではありません。しかし、代わりに「軽犯罪法」や各地の「条例」が問題になります。
軽犯罪法では、「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」を処罰の対象としています。金属バットは人に危害を加え得る器具に該当するため、明確な目的もなく車内などに隠して積んでいると軽犯罪法に触れる恐れがあります。
さらに都道府県の条例では、公共の場所で正当な理由なくバット等の凶器になり得る物の携帯を禁止している場合があります。例えば大阪府の条例では、社会通念上正当な理由がない限りバットやゴルフクラブなどを持ち歩くことを禁じており、車内に積みっぱなしにしている状況は違反と判断される可能性があります。
軽犯罪法の違反とみなされれば、科料(1000円以上1万円未満)や拘留(1~30日の刑事施設への拘置)といった処罰、条例の違反とみなされれば10万円以下の罰金刑を科される可能性があります。
金属バット所持が許される例とアウトな例
ポイントになるのは「正当な理由があるかどうか」です。野球の試合や練習で使うためにバットを運ぶ場合など、社会通念上正当な理由があるときは違法な所持になりません。実際、購入した直後で家に持ち帰る途中や、草野球の試合・練習の行き帰りであれば問題ないとされています。
正当な目的がある場合でも、できればバットケースに入れてトランクにしまうなど、すぐに取り出せない保管方法が望ましいです。なぜなら、むき出しで持ち歩くより、運搬中であることが明確になるからです。
一方、現在使う予定もないのに車に積みっぱなしにしている場合や、「護身用」に常備している場合は正当な理由がないと判断されます。「護身目的」は警察には認められず、むしろ「凶器を持ち歩いている」とみなされてしまいます。
以下に軽犯罪法や条例の違反になり得るケースを整理します。
・無目的に積みっぱなし:「今は使わないが念のため」と車内に放置しているだけの状態でも違反となり得ます
・護身用の携帯:自己防衛のため所持するのは正当な理由にならず、違反となり得ます
・隠し持っている:衣服の下や車の座席下などに隠していると違反となり得ます
金属バットなどの管理は十分に注意しよう
バッティングセンターで楽しんだ後など、金属バットをそのまま車に積みっぱなしにしていると、軽犯罪法や地方条例に抵触するリスクがあります。
重要なのは「正当な理由」の有無です。使用した直後や、これから使用する予定がある場合は問題ありませんが、長期間車内に放置している状態やついでに護身用として積んでいる場合は違法と判断される可能性があります。
安全な対策としては、使用後は必ず車から降ろすこと、どうしても運搬が必要な場合はケースに入れてトランクに保管することが大切です。こうした基本的な注意を払うことで、思わぬ法的トラブルを避けることができます。
楽しむための道具が、知らぬ間に法的リスクを生まないよう、管理方法を見直してみてください。
出典
e-Gov 法令検索 軽犯罪法
e-Gov 法令検索 道路交通法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
