年収320万円のシングルマザーです。子ども2人の大学進学費用、どう備えればよいでしょうか?

配信日: 2025.06.20 更新日: 2025.09.26
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年収320万円のシングルマザーです。子ども2人の大学進学費用、どう備えればよいでしょうか?
子どもの将来を思うと、大学進学はできるかぎり応援してあげたいものです。
 
しかし現実には、学費や生活費などが大きな負担となり、特に年収が限られるシングルマザーにとっては悩みの種です。「子どもが2人いるのに年収が少ない…… この状況で大学進学の費用にどう備えればよいのか?」と不安を抱える方もいるでしょう。
 
そこで本記事では、年収320万円のシングルマザーを例に、大学進学に必要な費用の目安を整理しながら、ひとり親世帯が利用できる支援制度や備え方について解説します。
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大学にかかる費用はどのくらい?

大学進学には大きな費用がかかりますが、その金額は通学形態や大学の種類によって大きく異なります。まずは、どの程度の費用がかかるのかを具体的に知ることから始めましょう。
 
(公社)生命保険文化センターが公表している、大学生の教育費総額は図表1の通りです。
 
図表1

国公立大学 自宅通学 524万6000円
自宅外 800万9000円
私立大学文系 自宅通学 700万5000円
自宅外 987万9000円
私立大学理系 自宅通学 835万4000円
自宅外 1122万9000円

※出典:公益社団法人生命保険文化センター「大学生にかかる教育費はどれくらい?」
(日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」、文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」「文部科学省令」、独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度 学生生活調査結果」をもとにエフピー教育出版にて試算)
 
図表1の金額は、受験関係費用、入学金、自宅外通学を始めるための費用(下宿の場合のみ)、授業料・生活費の年間費用の総額です。
 
本記事の例で子ども2人の場合、最小の国公立大学の自宅通学でも約1000万円、私立理系の自宅外なら2200万円程度かかることになり、年収320万円を考えると全額を貯金だけで備えるのは現実的ではありません。
 
そこで、無理に全額を賄おうとせず、「制度を上手に使って補う」という視点が重要となります。以下で、その方法について見ていきましょう。
 

経済的支援制度を活用しよう

現在は、家庭の経済状況に応じて利用できる公的な支援制度が数多く用意されています。本章では、特にシングルマザー世帯に役立つ支援制度を紹介します。
 

高等教育の修学支援新制度

2020年度から本格実施されているこの制度は、収入が一定以下の世帯に対し、「授業料の減免」+「給付型奨学金(返済不要)」を提供する国の支援制度です。
 
年収320万円前後のシングルマザー世帯であれば、「授業料の全額または一部免除」「給付型奨学金」の対象となる可能性が高いです。進学先がこの制度の対象校であれば、申請することで年間数十万円単位の支援が受けられ、家計の負担が大幅に軽減されます。
 

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金

JASSOの奨学金には、以下の2種類があります。


・給付型奨学金:返済不要。家庭の経済状況に応じて支給されます。
・貸与型奨学金:返済が必要だが、無利子または低利子。卒業後に分割で返済可能。

子どもが成績面や出席状況を維持していれば、十分に申し込む資格があります。JASSOのサイトで、詳細なシミュレーションも可能です。
 

自治体・大学独自の支援制度もある

多くの地方自治体や大学では、独自に奨学金や減免制度を設けています。中には入学前に予約申し込みができる制度や、ひとり親世帯を対象にした優遇制度もあります。
 
また、「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」という都道府県が実施する貸付制度も利用価値があります。進学費用や生活費を無利子または低利子で借りられるため、長期的に見て大きな支えになります。
 

日常からできる備え:無理なく少しずつ

制度に頼るだけでなく、日常生活の中でも少しずつ教育費を備えていくことが将来の安心につながります。以下で、無理なく実践できる具体的な方法を紹介します。
 

1. 児童手当は使わず貯める

中学卒業まで毎月支給される児童手当(月1万〜1万5000円)をそのまま積み立てておけば、2人分で合計460万円程度の備えが可能です。
 

2. 新NISAなどで資産形成

無理のない範囲で少額からでも投資信託などを活用すれば、10年以上かけて効率よく教育資金を増やせる可能性があります。
 

3. 家計の見直し

通信費や保険料、食費などの固定費を整理して、浮いた分を教育資金に充てるのも有効です。
 

情報と制度を味方につければ、道は開ける

年収320万円という限られた中で、子ども2人の大学進学を支えることは決して簡単なことではありません。ですが、現代は多くの支援制度が整っており、情報を活用することで実現可能性は大きく高まります。
 
すべてを自分で背負わず、公的支援や奨学金を活用しながら、「少しずつ、でも確実に」備えていくことが大切です。子どもたちの将来のために、今できる一歩を踏み出してみませんか?
 

出典

公益財団法人生命保険文化センター 大学生にかかる教育費はどれくらい?
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
内閣府 男女共同参画局 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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