実家の口座から毎月引き落とされる「健康食品の定期購入」や「ネットのオプション料」…。高齢世帯の「不要な支払い」を見直すときのポイントは?
そこで今回は「不要な支払い」を見直すためのチェックリストや、契約解除時に気をつけたいポイントを詳しく解説します。親の暮らしを守る第一歩として、いま一度支出を確認してみましょう。
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高齢者の定期購入トラブル
高齢者による定期購入をめぐるトラブルが年々増加しています。特に通信販売を通じた健康食品や化粧品の定期購入に関する相談は2022年に急増し、前年の約2倍という過去最多の件数が全国の消費生活センターに寄せられました。
消費生活センターに寄せられる相談
「不要な支払い」として挙げられる定期購入について、高齢者を中心にトラブルの相談が後を絶ちません。
例えば、新聞の折込広告で気になった商品を電話で注文した際、健康サプリのサンプルを勧められ「試すだけ」のつもりで了承したところ、実は定期購入の契約が始まっていたというケースがあります。
なぜ気づきにくいのか?定期購入の問題点
定期購入には、消費者が気づきにくい仕組みがいくつも潜んでいます。
例えば、テレビや新聞の広告で気になった商品を注文しようと業者に電話をかけると、いつの間にか別の商品や複数回分の購入を勧められて、そのまま話の流れで了承してしまい、結果として「定期購入」の契約になってしまうというのがよくあるパターンです。
特に高齢者の場合、契約内容に定期性があることを十分に理解できないまま、気づけば継続購入になっていたということがあります。
また、インターネット通販の場合、最終確認の画面で総額が小さな文字で表示されていたり、解約方法や返品条件が分かりづらい場所に書かれていたりすることも問題点です。
複数契約したネットオプション料
使っていないネットオプション料も、「不要な支払い」として挙げられる代表例です。
ネット回線やスマートフォンを契約したとき、初期費用の割引や端末代の値引きを受けるために、いくつかのオプションサービスへの加入を求められることがあります。
月に数百円程度と負担が小さく見えても、複数契約していれば年間でかなりの支出になります。気づかないうちに積み重なり、結構な出費になっていることがあるため、見直しが必要です。
「不要な支払い」のチェックリスト【解除時の注意点】も
見直しを進める際には、どのような名目でお金が引き落とされているのかを丁寧に洗い出すことが大切です。
定期購入やネットオプションをはじめとした、よくある「不要な支払い」の代表例を挙げ、契約解除する際に注意しておきたい点をご紹介します。
定期購入
定期購入の解除時には、オンライン手続きが複雑な場合や、電話連絡のみの受け付けにもかかわらずなかなかつながらないこともあります。事前に販売会社の評判をしっかり確認することが重要です。
ネットやスマートフォンのオプション
ネットやスマートフォンの契約解除方法は、個人では分かりづらい場合もあるため、携帯ショップなどでサポートを受けるのもよいでしょう。
ただし、修理やデータ復旧を行う端末補償サービスは、一度解約すると再加入できません。費用も高額になるため、端末の買い替え時や下取り以外では解除しないでおきましょう。
有料会員制度
有料の会員制度も、不要な支出になりやすい項目です。音楽や動画のサブスクリプションサービスなど、特に利用していないのに毎月料金が引かれているようであれば、サービス内容と必要性を見直す必要があります。
専用アプリを使用している場合、必ずWebサイトや電話で手続きしましょう。
ATM利用料や振込手数料
日常的にかかる手数料も積み重なれば大きな負担になります。コンビニATMの利用や、他行への振り込みなどで、気づかないうちに何百円という手数料が差し引かれていることも珍しくありません。利用時間や方法を見直したり、手数料が無料になる銀行の条件を調べて口座を整理したりすることで、ムダな出費を抑えられます。
口座の変更や解約を行うには、基本的に本人が銀行窓口に出向く必要があります。その際はキャッシュカードや通帳、届出印、本人確認書類を忘れずに持参しましょう。
「不要な支払い」を見直して家計を守ろう
「不要な支払い」の積み重ねによる家計の負担は、思った以上に大きいものです。特に高齢世帯では、契約内容を十分に理解しないままサービスが継続していることもあります。まずは支払いを一つひとつ確認し、必要のない契約を洗い出しましょう。
出典
独立行政法人国民生活センター「【「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?(No.3)】テレビショッピングなどをみて電話で注文したら、意図せず「定期購入」に!?-「サンプル」「おまとめコース」などを勧められても要注意!-」
消費者庁「第1部 第2章 第2節 (2)高齢者の消費者トラブル」
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
