デパコスを買ったのに「袋は有料ですが…」と言われショック! ブランドの袋には「広告効果」もあるんじゃないの? 有料化でブランドが“失うもの”とは
レジ袋や紙袋が有料化された背景や広告効果への影響を深掘りします。
2級ファイナンシャルプランナー、AFP
広告効果のあるブランド紙袋有料化の背景
有料化前のブランドの紙袋は、単なる持ち運び用の袋ではありませんでした。ブランドの宣伝広告としての重要な役割を担っていたのです。
紙袋1枚のコストが24円程度で、移動中に数百人の人が目にすれば相当な広告効果が期待できます。
街中でロゴ入りの袋を持つ人がいれば、自然とブランドが目に触れ、宣伝効果が生まれていました。また、高級品を専用の紙袋に入れて持ち帰ることで、商品への特別感が増し、顧客の満足度も高まっていました。
では、なぜ紙袋は有料化されたのでしょうか?
主な理由は、「環境への配慮」と「コスト削減」の2点です。使い捨てを減らす世界的な流れとSDGsへの貢献、そして高品質な紙袋の製造や管理コスト削減のため、多くのブランドが有料化に踏み切ったのです。
紙袋有料化で失われる「ブランドの露出機会」
紙袋の有料化で、ロゴ入りの袋を持つ人が減りました。これにより、長期的にみればブランド認知度や新規顧客獲得に影響が出る可能性は否定できません。
また、紙袋が有料になったことで、消費者がブランドに抱くイメージや満足度も下がっているのが事実です。SNS上でも「せっかく高い化粧品を買ったのに、エコバッグはむなしい」という投稿が見られます。競合他社が紙袋を無料提供している場合、それが選ばれる理由にもなりかねません。
ブランド側は、失われた露出機会をどう補い、消費者の満足度を維持・向上させていくかが今後の課題です。
紙袋有料化時代のブランド戦略
紙袋が有料になり、ブランド側は新たな戦略を模索しています。例えば、ブランドロゴ入りのオリジナルエコバッグを販売したり、購入金額に応じてプレゼントしたりしています。これは、エコバッグを新たな宣伝媒体として活用しようとする試みといえます。
また、店舗での接客の質を向上させたり、オンラインでの梱包デザインにこだわったりするなど、袋以外の部分で消費者体験の価値を高める努力もされています。SNSを活用してブランドの世界観を発信したり、限定イベントを開催したりすることで、消費者とのつながりを深めるブランドも多いです。
まとめ
消費者側も、買い物をする際はエコバッグの持参が当たり前になりました。しかし、ブランド品などの特別な買い物をする時には、「やっぱりブランドの紙袋が欲しいな」と感じるのは自然なことでしょう。
環境への配慮と、購入体験の満足度のバランスをいかに取るかは、ブランドにとっても、消費者にとっても、引き続き考えていくべきテーマではないでしょうか。
執筆者 : 西村りえ
2級ファイナンシャルプランナー、AFP
