コンビニで現金払いしたら、同僚に「現金だと年1万円損するのと同じ」と言われてビックリ! 現金だから“高く支払っている”わけではないと思うのですが、どういうこと? 気づかず「損」しないためのポイントとは
しかし、現在はクレジットカードや電子マネーを使うだけでポイントがもらえるのが当たり前の時代です。その「受け取れるはずのポイント」を逃していると、1年で1万円近い差がつくこともあります。実際に支払う金額は同じでも、気づかないうちに損をすることになるのです。
本記事では、その仕組みと、クレジットカードに抵抗がある人でも、ポイントを得られる支払い方法を紹介します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
現金払いが損な理由─年間1万円以上も?
近年では、年会費無料でもポイント還元率が1%前後のクレジットカードや電子マネーが多く存在します。
つまり、キャッシュレス決済を使っていれば自動的に受け取れたポイントを、現金払いを選ぶことで取りこぼしているともいえるでしょう。正確には「得を逃している状態」ですが、「損」と表現することも間違ってはいないのです。
例えば、総務省の2024年家計調査によると、単身世帯は以下のような項目に対して、月に約9万2000円を支出しています。
●食料:約4万8000円
●光熱・水道:約1万3000円
●家具・家事用品:約6000円
●被服および履物:約5000円
●教養娯楽:約2万円
これらは、クレジットカードや電子マネーでの支払いがしやすい費目ばかりです。仮にこのうちの8万5000円を1%還元のキャッシュレス決済で支払ったとすると、月に850円、年間で1万200円分のポイントが得られることになります。
さらに、上記には含まれていませんが、通信費や交通費(家計調査によると約2万1000円)もキャッシュレスで支払いやすい項目です。スマホ代などの通信費はカード払いに設定している人も多いですし、交通費も交通系ICカードにクレジットカード(一部対象外)でチャージすれば、ポイント還元の対象になることがあります。
つまり、「現金で払っているだけで、1万円以上の損をしているかもしれない」というのは、決して大げさな話ではないのです。
クレジットカードが不安でも、ポイント還元はあきらめなくていい
「クレジットカードは使いすぎが怖い」「後払いだと管理しづらい」と感じる人は、デビットカードの活用を検討してみてもいいかもしれません。
デビットカードは、支払いと同時に銀行口座からお金が引き落とされる仕組みなので、使いすぎる心配がありません。現金に近い感覚で使えますが、現金払いにはないポイント還元が受けられるという違いがあります。
中には還元率1%程度のデビットカードもあり、普段の支払いを現金から切り替えるだけで、自然にポイントが貯まっていきます。クレジットカードに抵抗がある人でも、無理なく始められる現実的な選択肢といえるでしょう。
また、最近ではクレジットカードやデビットカードの利用履歴を自動で読み取り、家計簿を作成してくれるアプリも充実しています。支出を記録する手間が省けるだけでなく、可視化されることで家計管理の意識を高められるのではないでしょうか。
キャッシュレス決済を使って得しよう!
確かに、現金でもキャッシュレス決済でも支払う金額は変わりません。しかし、キャッシュレス決済に切り替えるだけでポイントが得られ、それは人によっては年間1万円以上に相当します。現金払いを続けることで、それだけの得を逃していると考えれば、実質的な損といえるかもしれません。
使いすぎが不安な人はデビットカードという選択肢もあります。
キャッシュレス決済で得たポイントで年に一度豪華なディナーを楽しむ、というのも良いかもしれません。
出典
総務省 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年) 平均結果の概要
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
