マイナンバーカードの「公金受取口座登録制度」を利用している人は約7割!給与用の口座に「500万円」ありますが、給付金と分けたいので口座開設を検討中です→登録するメリット・デメリットは?
この記事では、マイナンバーカードへの公金受取口座の登録について、メリットおよびデメリットと、どのくらいの人が利用しているのかも含めて解説します。
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目次
マイナンバーカードの公金受取口座登録制度とは
マイナンバーカードへの公金受取口座登録は、2022年の3月からマイナポータルでの登録が可能になった制度です。マイナンバーカードに金融機関の口座情報を紐付けることで、各種行政手続きの簡素化や給付金の迅速な支給が可能となります。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う特別定額給付金が支給された際、個人の口座確認に時間を要したことが課題として残りました。緊急時の給付金支給を迅速化し、国民の利便性向上を図ることがこの制度の主な目的です。
現在の利用状況と登録率
マイナンバーカードへの公金受取口座の登録者数は2025年4月末時点で6388万966件となっています。マイナンバーカード保有者の65.2%が口座登録を完了したことになり、増加傾向にはあるものの、100%には至っていません。
公金受取口座の登録をしない理由について、デジタル庁のアンケートでは「特に理由はない」とした回答が約3割を占めていました。次いで「情報流出が怖いから」が約2割と高く、「登録しておくことにメリットや必要性を感じない」「そのような制度があることを知らなかった」などの理由も見られました。
公金受取口座登録のメリット
マイナンバーカードに預貯金口座を登録することにより、児童手当や年金給付、各種補助金の申請時に、従来必要だった通帳のコピーや口座確認書類の提出が不要となります。
オンライン申請時には、登録済み口座が自動的に選択肢として表示されるため、金融機関コードや支店コード、口座番号の間違いによる給付遅延を防ぎ、確実、迅速な給付の受給が可能です。
2020年の特別定額給付金支給時には、口座情報の確認や登録に時間がかかり混乱する事態になりましたが、事前の登録により大幅な時間短縮効果が期待できます。
公金受取口座登録のデメリット
指摘されるデメリットは、セキュリティ面に関する問題です。個人の金融情報が外部に漏れる可能性がゼロではないことが懸念されています。また、一人1口座までしか登録できないなどの制限もあります。
プライバシーに関する懸念
個人の金融情報が政府に把握されたり、口座の残高や取引履歴が監視されたりするのではないかという不安を抱く国民が少なくありません。ただし、制度上は口座番号などの基本情報のみが登録され、残高や取引内容は照会されないことになっています。
情報漏洩のリスク
デジタル化に伴う情報漏洩リスクへの不安も存在します。過去に発生した公金受取口座の登録ミスなどにより、「重要な金融情報が漏れてしまうのではないか」と、安全性に対して疑問を持つ人もいるでしょう。
しかし、マイナンバーカード自体に口座情報が登録されているわけではないため、紛失などがあっても悪用される可能性は低いでしょう。
公金受取口座をマイナンバーカードに登録すると行政手続きの簡素化が可能
マイナンバーカードへ公金受取口座の登録をすると、従来必要だった書類の提出が不要となり、行政手続きが簡素化され、各種補助金の迅速な受給が可能となります。
ただし、口座登録の手続き自体が、高齢者などにとっては複雑に感じられるかもしれません。マイナポータルへのログインやスマートフォンでの認証作業など、デジタル機器に慣れていない人には負担となる可能性があります。
「公金受取口座登録制度」の普及には、制度の透明性や分かりやすさを確保すること、運用面での継続的な改善努力に加えて、サイバー攻撃への対策やデータ暗号化技術の向上など、セキュリティ対策の強化が不可欠です。
出典
デジタル庁 マイナンバーカードの普及と利活用の状況に関するインターネットによるアンケート調査の結果(令和6年度)(10ページ)
マイナンバーカードの普及に関するダッシュボード
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
