大学の学費は用意したのですが…「高校3年生」から「大学入学」までに「学費以外」でいくら必要ですか?
この記事では、大学受験から入学までにかかる費用をご紹介します。
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目次
高校3年生時点の「塾や予備校代」
大学進学に向けた準備の中でも、早い段階からかかり始めるのが「塾や予備校」の費用です。大学受験を乗り越えるため、多くの高校生が塾や予備校を利用しており、家庭の支出として無視できない金額になっています。
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、高校3年生がいる世帯で、学習塾費の年間平均額は、公立高校生で約20万7370円、私立高校生で約13万8930円となっています。
また、夏期講習や冬期講習、志望校別の対策講座などを受講すると、さらに費用はかさむでしょう。これらは学費とは別に、受験が本格化する前から継続的に発生する費用です。家計への負担も大きくなるため、計画的な準備が求められます。
受験本番で必要になる「受験費用」
実際に受験する段階では、受験料や交通費、宿泊費など、まとまった費用が必要になります。受験する大学の数が増えるほど、この金額も膨らみやすくなります。
東京私大教連の「私立大学新入生の家計負担調査 2024年度」によると、私立大学の新入生が実際に支出した受験費用の平均は、自宅通学者で25万1700円、自宅外通学者では27万3800円です。
特に複数の大学を受験する場合は、1校ごとの受験料が積み重なり、思った以上に費用がかさむこともあるでしょう。
入学しない大学への「納付金」
併願校に合格したものの、本命大学の結果を待たずに入学手続きを迫られるケースもあります。そんなときに発生するのが、いわゆる「滑り止め」校への納付金です。
本命の大学の合格発表前に、併願している大学の入学手続き締め切りが来てしまうことは珍しくありません。そのため、実際には入学しない大学へ入学金などを支払う費用が発生する場合があります。
全国大学生活協同組合連合会の「2023年度保護者に聞く新入生調査」によると、「入学しなかった大学への納付金」の平均額は26万6800円です。この納付金には、後日返金されたものを除く入学金などが含まれています。
この金額は進学先によって異なり、例えば私立大学の文科系で27万5500円、理工系では28万6400円という平均額も報告されています。最終的に進学しない大学への数十万円の支払いは、家計にとって大きな負担となるでしょう。
合格後に待っている「入学準備費用」
晴れて合格を勝ち取った後も、出費は続きます。入学金や初年度の授業料の納付はもちろんですが、それ以外にも新生活の準備にお金がかかります。
自宅から通学する場合でも、入学式用のスーツやパソコン、教科書代などが必要です。一人暮らしを始める場合は、さらに大きな金額が動きます。敷金・礼金、家賃、家具・家電の購入費など、新生活のスタートにはまとまった資金が欠かせません。
同連合会の調査によると、こうした準備費用は具体的な金額で示されています。パソコンや教科書などを含めた「教科書・教材購入費用」は、平均で23万4400円です。
また、一人暮らしを始める学生(下宿生)の場合、お部屋探しにかかる費用は平均24万400円、さらに家具や家電、自炊用品などをそろえる「生活用品購入費用」として平均30万5800円がかかっています。
これらを合計すると、新生活の準備だけで50万円を超える費用が必要になることがわかります。
想定外に慌てないために。大学進学費用は早めの準備を
大学進学には、私たちが想像する以上にお金がかかります。
文部科学省の調査では高校3年生の年間の塾費用が約21万円かかることに加え、全国大学生活協同組合連合会の調査では「受験から入学までにかかった費用」が国公立大学の自宅通学者で平均136万2300円、私立大学の下宿生では平均234万円にのぼることが示されています。
特に、費用面で予定と違って困ったこととして、保護者からは「教科書や教材、パソコンの費用が高かった」(40.4%)、「受験料が増えた」(21.0%)といった声が多く上がっています。
これらの調査結果は、大学進学には塾の費用に始まり、入学金や授業料といった学費以外にも、さまざまな費用がかかる現実を示しています。お子さんの希望する進路を応援するためにも、こうした費用をあらかじめ想定し、高校1年生や2年生のうちから計画的に資金を準備しておくとよいでしょう。
出典
文部科学省 結果の概要-令和5年度子供の学習費調査
全国大学生協連「2023 年度保護者に聞く新入生調査」概要報告
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
