子どもを「私立小学校」へ入学させるために「800万円」を用意しています。母から「ランドセル代や文房具代も考えたら足りないんじゃない? 」と言われたのですが、平均でどれくらいかかるのでしょうか?
「800万円」を教育資金として確保していても、本当に足りるのかと不安になるのも無理はないでしょう。特にランドセルや制服、学用品といった入学準備費用は見落とされがちです。
本記事では、文部科学省の調査データを基に、私立小学校の6年間にかかる費用の実態を紹介し、800万円で十分なのかどうかを検証します。
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目次
私立小学校6年間の総費用は平均「約1100万円」
令和5年度の文部科学省による調査では、私立小学校における年間の学習費総額は182万8112円です。6年間同額の費用が生じると仮定すると、総費用は1096万8672円と概算できます。タイトルの「800万円」では、約300万円の不足が見込まれる結果となります。
年間費用の内訳は、教育費、給食費、学校外活動費などがあり、教育費は約105万円、給食費は約5万円、学校外活動費は約72万円でした。授業料だけでなく、学校外活動費もかなりの負担となっていることが特徴です。
特に学習塾などの補助学習費が約38万円で学校外活動費のおよそ半分を占めている結果でした。
公立小学校とは違う私立小学校での費用実態と注意点
私立小学校では、公立小学校にはない費用がかかる場合があるようです。
初年度は、入学金・施設費・制服代・ランドセル代などが一度に必要になるため、年間費用が特に高くなります。入学金は20万〜40万円が相場とされ、制服・体操服一式で5万〜15万円前後、ランドセルも高品質なものを選べば8万円以上になることもあるでしょう。
また、制服にこだわりを見せる小学校もあります。例えば、著名なデザイナーに制服デザインを依頼するケースや、海外ブランドと連携するケースなどもあるようです。
こうした背景もあって、必要な金額は学校によって異なると考えられます。私立小学校への入学を検討する際は、各種指定品の内容についても事前に情報を収集しておくとよいでしょう。
教育資金の用意方法
私立小学校への進学にはまとまった資金が必要なため、早い段階からの計画的な備えが大切です。
私立小学校在学中の学費を用意するためには、教育ローンを利用するのも1つの手とされています。教育ローンなら、子どもの教育に必要な入学金や授業料、教科書代など幅広い用途に使えるでしょう。
なお、教育ローンには、民間の金融機関が運営する民間の教育ローンと、日本政策金融公庫が運営する国の教育ローンがあります。借入上限などに違いがあるとされるため、現状に即したものを選ぶとよいでしょう。
また、入学前の期間や資金に余裕がある場合は学資保険を積み立てる方法もあります。
800万円では不足の可能性が高い|約1100万円を見据えた資金の用意を
文部科学省によれば、私立小学校の6年間にかかる費用は平均約1100万円で、用意した800万円では不足する可能性があるでしょう。ランドセル代や学用品費だけでなく、塾や習い事など「見えにくい支出」も加味する必要があります。
私立小学校への進学を実現するには、必要な金額から資金計画を立て直す必要があるかもしれません。学資保険や児童手当の貯蓄などを組み合わせながら、無理のないペースで準備を進めるとよいでしょう。
入学段階で1100万円に満たなかったとしても、卒業までは6年間あるので、計画的に用意するとよいかもしれません。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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