子どもが中高一貫の私立に入学! でも、思ったより教育費がかさみそう……世帯年収1000万円の場合、奨学金はいくらまで借りられる?

配信日: 2025.06.28 更新日: 2025.09.26
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子どもが中高一貫の私立に入学! でも、思ったより教育費がかさみそう……世帯年収1000万円の場合、奨学金はいくらまで借りられる?
子どもが中高一貫の私立校に進学!
 
おめでたい反面、「想像以上に教育費がかかりそう……」と不安を感じていませんか? 特に世帯年収が1000万円ほどあるご家庭では、「奨学金は利用できるの?」「借りられるとしたら、どのくらい?」という疑問を持たれることも多いようです。
 
今回は、そのようなご相談について考えていきます。
柴沼直美

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

世帯年収1000万円の場合でも自治体によっては「可能」

中学生の段階では、国の一般的な奨学金(=日本学生支援機構(JASSO))は利用できません。ただし、自治体や学校独自の「就学支援金」や「入学時の補助金」がある場合があります。
 
例えば、東京都では私立中学に通う生徒1人あたり所得制限が撤廃され、年額10万円 の助成が受けられます。都内在住であれば、都外の学校に通っていても、申請時まで引き続き都内に住所があれば申請可能です。通常9~10月に受付を開始するとのことです。定期的に、東京都私学財団の公式サイトを確認しておきましょう。
 
このほかにも、都道府県市区町村によって、財政支援制度が提供されている場合があるかもしれません。住所地の自治体の公式サイトや窓口で、定期的に確認することをお勧めします。
 

学校独自の奨学金・特待生制度

最近では優秀な生徒のために私立中学・高校で、特待生制度や授業料免除制度を設けている学校が増えています。ただし、学力や課外活動の実績によって支給されたり、支給が停止されたりする場合が一般的です。
 
詳細は、志望校の公式サイトや学校説明会で確認するとよいでしょう。
 

民間の金融機関の教育ローン

教育ローンなので、利子をつけて返済しなければなりませんが、年収制限なく利用可能です。借入限度額は300~1000万円程度、金利は固定・変動の選択が可能で年1~3.5%程度、融資期間は10~15年程度が一般的です。詳細は、金融機関での問い合わせが必要です。
 

まとめ

公立と私立の中学・高校学校の学費について、令和6年12月25日に文部科学省が発表した「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立中学では年間54万円、公立高校では年間60万円であるのに対して、私立中学では年間約156万、私立高校では年間約103万円となっています。
 
中高一貫校に合格すれば、学費・施設費・教材費に加え、制服代や修学旅行など6年間で700~900万円程度かかることも珍しくありません。公立と比べると2倍以上の費用が必要になるため、想定以上に家計を圧迫するケースもあります。
 
学校独自の奨学金は条件つきである場合が多いこと、返済が必要な教育ローンは借金であることから、支給停止になる可能性があることや、返済計画など柔軟な対応と将来を見据えた判断が必要になります。家計全体で教育費が何年間、どのくらいの負担になるのかを十分検討しておきましょう。
 

出典

東京都 報道発表資料 所得制限なく私立中学校等の授業料支援(10万円)が受けられます 9月2日からオンラインで申請受付を開始
公益財団法人東京都私学財団 令和7年度 東京都私立中学校等授業料軽減助成金のご案内
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します
 
執筆者 : 柴沼直美
CFP(R)認定者

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