けがや病気で医療費が高額に…「限度額適用認定証」や「マイナ保険証」を利用すると最初から自己負担限度額までになるって本当?
今回は、限度額適用認定証の概要やマイナ保険証でも適用する方法、自己負担限度額の計算方法などについて紹介します。
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限度額適用認定証とは
高額療養費制度において、定められた医療費負担額の上限を超えるときに限度額適用認定証を受付へ提示することで、その場で限度額までの支払いにおさえられる仕組みになっています。限度額適用認定証を受け取るためには、国民健康保険なら自治体への申請、ほかの健康保険なら加入している組合への申請が必要です。
東京都千代田区によると、申請のためには「限度額適用認定申請書」を提出します。申請書には、基本的に以下の項目を記載しましょう。
・被保険者などの記号や番号
・認定証を申請する本人の氏名や生年月日、世帯主との続柄、個人番号
・世帯主の住所、氏名、個人番号、電話番号
なお、自治体や組合によって記載内容が異なる可能性もあるので、自身の属する健康保険の様式を確認しておきましょう。
申請書を用意できたら、窓口へ持参するか、郵送で送ります。千代田区の場合、即日発行してもらいたければ窓口への持参が必要です。急ぎで認定証が欲しい人は、基本的に窓口へ行って直接申請したほうがよいでしょう。
マイナ保険証を限度額適用認定証代わりにする方法
病院の受付で、書類なしで限度額適用の認定を受けたいときは、マイナ保険証を利用する方法も検討しましょう。マイナ保険証を活用すると、窓口へ申請書を提出しなくても、窓口のマイナ受付を利用するだけで、その場で限度額の適用を受けられます。
初めてマイナ保険証を利用する際には、保険証としての利用登録をしましょう。マイナ保険証の利用登録は、病院のマイナ受付でもできますが、マイナポータルやセブン銀行ATMからも可能です。
病院へ行くまでに時間があるなら、事前に手続きを済ませたほうが病院へ行ったときにスムーズでしょう。病院へ行ったあとは、マイナ受付にマイナンバーカードを置き、情報提供への同意を進めることで、最初の受付が完了します。
自己負担限度額の計算方法
高額療養費制度の自己負担限度額は、年齢だけでなく所得によっても計算式が異なります。厚生労働省保健局によると、年齢が69歳以下の人の自己負担限度額は以下の通りです(被用者保険の加入者の場合)。
・住民税非課税者:3万5400円
・標準報酬月額26万円以下:5万7600円
・標準報酬月額28万~50万円:8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
・標準報酬月額53万~79万円:16万7400円+(医療費-55万8000円)×1%
・標準報酬月額83万円~:25万2600円+(医療費-84万2000円)×1%
なお、計算式の「医療費」は3割負担や2割負担などで減額される前の金額です。また、「標準報酬月額」とは、税金が引かれる前の手当も含めた給与を一定額ごとに区分した報酬月額に当てはめた金額を指します。
例えば、標準報酬月額が30万円だった人が減額前の医療費が30万円、3割負担で9万円だったとしましょう。すると、限度額は「8万100円+(30万円-26万7000円)×1%」で8万430円です。今回のケースだと9万円が本来の負担額ですが、限度額適用認定証を受付で見せることで、8万430円の負担で済むでしょう。
限度額適用認定証かマイナ保険証があれば高額療養費制度の申請の手間を省ける
高額療養費制度は、通常申請をしないと自己負担限度額を超えた分に対する還付が受けられません。しかし、限度額適用認定証かマイナ保険証を提示することで、申請の手間を省いて窓口の負担を限度額までにできます。
認定証を利用する場合は、自治体や加入する組合へ申請が必要です。すぐに必要な場合は直接自体帯の窓口で申請するか、マイナ保険証を利用したほうがよいでしょう。
出典
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
