奨学金を借りずに子どもを大学へ進学させたい…! 正直、仕送りにもお金がかかり厳しいのですが、子どもにバイトをしてもらってもよいでしょうか?
仕送りをする余裕がない場合、子ども自身がアルバイトをして学費を稼ぐことを検討することもあるかもしれません。
本記事では、平均的な学費がどれくらいかかるか解説するとともに、奨学金を借りずに学費を捻出するいくつかの方法をご紹介します。
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学費の平均
文部科学省によると、令和5年度における国公私立大学の授業料等は表1の通りです。
表1
| 大学分類 | 費用平均 |
|---|---|
| 国立大学 | 年間授業料:53万5800円 入学料:28万2000円 |
| 公立大学 | 年間授業料:53万6191円 入学料:37万4371円 |
| 私立大学 | 年間授業料:95万9205円 入学料:24万806円 |
出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を基に筆者作成
国立大学と公立大学の間には極端に大きな差はありません。一方、国公立大学と私立大学の間には、授業料において大きな差があります。
仮に今回のケースが私立大学への進学について語っているとすれば、奨学金を借りずに学費を捻出するハードルは、より高くなるといえるでしょう。
大学生のアルバイトに関する現況
「独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)」が行った「令和4年度 学生生活調査結果」によると、大学学部生(昼間部)のうち、アルバイトに従事している学生の割合は83.8%でした。
またアルバイト従事者のうち、「家庭からの給付のみでは修学不自由・困難及び給付無し」に該当した学生は31.5%に上ります。およそ3人に1人の学生は、アルバイトをしなければ大学生活が送れないようです。
またアルバイト従事者は、短期大学生(昼間部)においては80.7%、修士課程では86.5%に上ります。大半の学生が何かしらのアルバイトに従事していることが分かります。
子どもにアルバイトをしてもらってよい?
独立行政法人日本学生支援機構の同調査によると、大学学部生(昼間部)の生活費(住居費含む)は、国立大学生が「86万1900円」、公立大学生が「75万3400円」、私立大学生が「63万1500円」でした。
今回のケースでは奨学金の借入も親からの仕送りもない状態です。入学料と授業料、さらに生活費を捻出するとなると、多くの時間をアルバイトに当てなければならないかもしれません。
アルバイト時間が長くなって学業に支障が出てしまっては本末転倒です。子どもと話し合って、どれほどの時間であれば無理なく働けるかシミュレーションしてみてください。
その際は、アルバイトを上手にこなすための以下の工夫を検討しましょう。
●単価がよいアルバイトを選び効率的に稼ぐ
●住居付近でアルバイトを探す
これらのポイントを意識すると時間確保につなげられます。ほかにも、家賃が安い場所を探したり実家から通えないか検討したりして、支出を減らす方法を考えてみることをおすすめします。
奨学金を借りないで学費を捻出する方法
アルバイトだけでは授業料や生活費を賄えない場合、あるいは無理のあるアルバイト生活になりかねない場合、ほかの方法で学費を捻出できる可能性があります。具体的に以下のような方法を活用できます。
●大学に授業料の「延納」「減額」「分納」を依頼する
●「直系尊属から受ける教育資金贈与の非課税制度」を利用し、祖父母などに非課税で費用を出してもらう
●要件を満たしていれば、返済不要の「給付型」の奨学金を利用する
家族で話し合い、どの方法がもっとも負担の少ない選択肢か検討しましょう。
子どもがアルバイトするなら無理なく続けられる方法を検討しよう
大学生の多くはアルバイト従事者です。家庭からの仕送りが不十分な場合や、まったくない場合など、それぞれのケースは異なりますが、授業料や生活費を自分で工面しなければならない学生は少なくありません。
今回のケースでも、子どもがアルバイトをして学費を稼いでくれたら家計の助けになりそうです。しかし学業に支障が出ないように、学業とのバランスをとりながら続けられるアルバイトを探す必要があるでしょう。家族で協議し、奨学金を借りる以外の方法がないか、一度しっかりシミュレーションすることをおすすめします。
出典
文部科学省 令和5年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度 学生生活調査結果 2.設置者別の学生生活費(5ページ)、6.アルバイト従事状況(11ページ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
