20年ぶりに「富士山」に登る予定だけど、入山料が「4000円」に値上がりと聞きビックリ! 引き上げの理由は? ほかにも“入山料”が必要な山はあるのでしょうか?
本記事では、入山料やトイレ利用料など富士山登山に必要な費用の目安や、アルプス山脈での協力金・集めたお金の使途について説明します。登山計画の参考にしてください。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
富士山の入山料が値上がりした理由は?
2025年から富士山での全ての登山ルートにおいて、山頂に向けて登る人は入山料4000円の支払いが必要になります(御中道散策・ゲート外での5合目観光には、入山料はかかりません)。
環境省による富士山の登山者数調査結果によると、2024年の夏期開山期間(7月から9月10日まで)での登山道4ルート合計登山者数は、約20万4000人でした。2023年は約22万1000人、そして直近10年間で最も登山者数が多かったのは2017年の約28万4000人です。
これまでの入山料は2000円程度でしたが、施設の維持管理・オーバーツーリズム対策・登山道の整備などのために、2025年から入山料が引き上げられました。
2025年7月の開山期から、富士山での全ての登山ルートで登山規制が行われます。静岡県側(富士宮・御殿場・須走)では入山手続きが必要になり、「登山ルール・マナーなどの事前学習(eラーニング)修了」「14時~翌3時の夜間規制時間帯の入山は、山小屋の宿泊が必要」「入山料4000円の納付」の3つの条件を満たすことで入山可能になります。
山梨県側(吉田)では、通行料4000円の事前予約決済または登山道入口ゲートでの支払いが必要で、1日の上限数4000人に達すると受付が終了します。14時以降の入山には通行予約とは別に、山小屋の宿泊予約が必要です。
富士山の登山に、費用はどのくらい必要?
富士山の山頂を目指すには入山料のほかに、主に以下のような費用がかかります。
(1)トイレ利用料
山小屋のトイレや公衆トイレはチップ制です。目安としては1回100円から300円程度で、トイレの維持に必要不可欠な費用です。
(2)山小屋の宿泊・利用費
山小屋で休憩・宿泊するときには利用料金が必要で、目安は1人1泊2食で1万3000円から1万7000円程度です。宿泊料金に入山料が含まれているかは、事前に問い合わせると良いでしょう。
(3)装備費用
安全に登山するには、適切な装備が必要です。山梨県側からの通行では「防寒着・セパレートタイプの雨具・登山靴の用意」が入山の誓約事項に含まれているため、しっかりと用意する必要があります。装備セットを事前にレンタルすると、1人1泊2日用で1万3000円から2万4000円程度です。
(4)駐車場から登山口までの交通費
富士山のふもとの駐車場から5合目登山口まではシャトルバスが運行しており往復2400円です。駐車場は場所によって料金が異なり、1回1000円から2000円程度です。
これらの費用と、食事など諸費用を合算したおおよその目安は4万円から5万円程度になりそうです。トイレのチップなどは現金支払いなので、小銭を多めに用意しましょう。
ほかの山でも、入山料は必要ですか?
日本国内で、富士山以外に入山料を設定しているところはありませんが、例えば北アルプス・南アルプス山脈(富山県・長野県・岐阜県)では「協力金」として500円を募っています。この協力金の使途は、富士山の入山料と同様に、登山道の整備・貴重な高山植物の保護など、登山者が安全に楽しむための環境整備です。
このほかに、登山準備に必要なことは?
万一の事態に備えて、登山計画書の用意と登山保険(1日プラン1000円以内から)に加入すると良いでしょう。
体調に不安がある人は事前に「登山者検診」を受けて登山が可能か確認しておくことも良いでしょう。登山者検診は東京医科大学病院で2万2000円(税込み・診断書料を含む)、松本協立病院で1万8000円(税込み・検診のみ)から4万4000円(税込み・心肺運動負荷検査など含む)です。
まとめ
2025年から富士山の登山規制として入山料が4000円になり、アルプス山脈では協力金(1回500円)が始まりました。登山にはトイレ利用料や装備などさまざまな費用がかかりますが、単なる出費ではなく安全に楽しむために必要なお金です。
登りたい山に必要な費用の情報を事前に収集し、無理のない登山計画を立てることが、充実した登山のために望ましいでしょう。
出典
富士登山オフィシャルサイト 2025年 富士登山をされる全ての方へ
環境省 2024年夏期の富士山登山者数について(お知らせ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
