福岡市の給食は「唐揚げ1個」!? 今の給食費ではそれが限界なのでしょうか?
本記事ではその背景にある、「食と予算」のせめぎ合いについて解説します。
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なぜ福岡市の給食は「唐揚げ1個」だったのか? 現場で起きていること
2025年4月に福岡市の小学校で提供された、おかずが「唐揚げ1個」の給食がSNS上で大きな話題となりました。「こんなに少なくて大丈夫?」「子どもたちが満足できるのか心配」といった声が相次ぎ、全国的な注目を集めました。
実際のメニューは、ご飯、みそ汁、鶏の唐揚げ(1個)、牛乳という内容で、カロリーは合計で620キロカロリー。これは福岡市が定める1食あたり600キロカロリーという基準を満たしています。唐揚げも通常の2個分ほどの大きさで調理されており、見た目以上にボリュームがあることが市教育委員会から説明されています。
しかし、写真やSNSの印象から「量が少ない」「寂しい」といった批判が集まりました。市は栄養バランスに問題はないとしつつも、見栄えなどへの配慮も必要だとして、今後の改善を検討する方針です。
給食費の現状と無償化の動き
福岡市によれば、市の小学校給食費は、1食あたり243.15円、月額では4200円です。
近年の物価高騰の影響で、食材費は年々上昇。市は2022年度から物価高騰分の食材費における公費負担を拡大し、2025年度にはその額が約12億円にまで増加しているとのことです。
そして、2025年度の2学期からは、福岡市立の小・中学校または特別支援学校で給食費の無償化がスタートします。市は新年度予算案に44億円超を計上し、子育て世帯の負担軽減を図る方針です。
物価高騰と給食の質
物価高騰は、給食現場に大きな影響を与えています。米や野菜、肉類など主要食材の価格が上昇し、限られた予算内で栄養バランスを保つため、現場では日々工夫が求められる状況です。
例えば、価格が高騰した野菜を減らし、比較的安価な野菜を増やすことで、コストを抑えつつ栄養価を維持しているケースです。青ネギを1グラム減らして玉ねぎを5グラム増やすなど、細かな調整を重ねているのです。また、唐揚げを大きめに作ることで調理や配膳の手間を軽減し、効率にも配慮しているようです。
それでも、「量が少ない」「満腹感が得られない」といった声は根強く、今後は見た目や満足度の向上も課題となっています。
今後の給食はどうなる? 改善策と期待される変化
福岡市教育委員会は、今回の「唐揚げ1個」問題を受けて、給食メニューの改善策を協議する方針を示しました。今後は、見栄えなども含めて、多角的な視点から給食の質を高める取り組みが進められると考えられます。
福岡市においては2025年度2学期からの給食費無償化により、家庭の経済的負担は大きく軽減されますが、限られた予算の中でどのように質を高めていくかが今後の課題でしょう。
出典
福岡市
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
