2026年から「30日分で182円」だった薬が「8690円」に!?「保険が効かなくなる薬」が増えて、患者の“自己負担”が大幅アップ? 対象の薬・家計への影響も解説

配信日: 2025.07.02 更新日: 2025.09.26
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2026年から「30日分で182円」だった薬が「8690円」に!?「保険が効かなくなる薬」が増えて、患者の“自己負担”が大幅アップ? 対象の薬・家計への影響も解説
2026年度から、一部の薬が健康保険の適用外となり、自己負担額が大きく跳ね上がる制度変更が予定されています。
 
例えば、これまで月(30日分)約182円で済んでいた薬が、保険が効かなくなることで約8690円になるといったケースも報じられています。
 
これは極端な一例ではあるものの、風邪薬や湿布薬、花粉症薬など、日常的に使われている「OTC類似薬」、いわゆる市販薬とほぼ同類の薬が見直し対象となるため、家計への影響は無視できません。
 
本記事では、制度変更の背景や対象となる薬、家計への影響、そして今からできる備えについて、分かりやすく解説します。対象の薬を服用している人は特に参考にしてみてください。
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市販薬と同じ薬が保険対象外に? 2026年から始まる制度見直しとは

「OTC類似薬」とは、市販薬(OTC=Over The Counter)と成分や効能がほぼ同じ医療用医薬品のことを指します。これらは医師の診察に基づいて処方されるため、健康保険が適用され、患者の自己負担は原則1~3割に抑えられてきました。
 
しかし、2025年に自民党・公明党・日本維新の会の3党が合意した社会保障改革により、2026年度からOTC類似薬の保険給付を見直していく方針となったのです。
 
この背景には、高齢化や医療の高度化に伴ってふくらみ続ける医療費の問題があります。限られた財源の中で、保険制度を持続可能なものにするため、市販薬で代用できる薬は保険の対象から外し、より必要性の高い医療に資源を集中させようという考え方です。
 

保険が効かなくなる薬は? 対象となる薬と家計への影響

保険適用の見直し対象になるのは、市販薬と同じ成分・効能を持つ医療用医薬品です。具体的には、風邪薬や解熱鎮痛剤、花粉症薬、湿布薬、胃薬、そしてアトピー性皮膚炎などで使われる保湿剤や軟膏などが候補に挙がっています。
 
実際に負担増が懸念されているケースとしては、アトピー性皮膚炎の治療で使われるヒルドイドがあります。これまでは医師の処方によって月700円程度で済んでいたものが、市販薬へ切り替えることによって月1万円近くかかるようになり、年間で約12万円の負担増になるという試算もあります。
 
また、風邪薬や花粉症薬、湿布薬といった薬も、一定の頻度で処方を受けている人にとっては無視できない負担増となり得ます。月に数百円だった負担が、見直しにより数千円、場合によっては1万円近くともなれば、日常的な医療費がこれまで以上に家計に響いてくるでしょう。
 

今できる備え

OTC類似薬の保険適用見直しは、2026年度から始まる方針です。対象となる薬の詳細は今後正式に決まっていくと見られていますが、制度が始まってからあわてないよう、今のうちから準備しておくことが大切です。
 
まず、自分や家族が日常的に使っている薬が対象になる可能性があるかどうかを、かかりつけの医師や薬剤師に確認してみましょう。そのうえで、保険が適用され続ける薬への切り替えや、治療方法の見直しができるかどうかも相談しておくと安心です。
 
また、市販薬で代替できる場合に備えて、価格や効き目を事前に比較しておくと、保険が使えなくなった際にも落ち着いて対応できます。
 
政府は医療費抑制の一環として、セルフメディケーションの活用を推進しており、市販薬の購入費が一定額を超えた場合に使える「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」という制度があり、市販薬に切り替えるという選択をするのであれば活用が検討できます。
 
こうした制度や助成の対象になるかどうかも、早めに確認しておくと安心です。
 

まとめ

2026年度から、風邪薬や湿布薬、花粉症薬など、市販薬と成分が同じ医療用医薬品(OTC類似品)の保険適用が縮小される見通しです。
 
月数百円で済んでいた薬代が数千円に跳ね上がるケースも予想されており、対象となる医薬品を日常的に服用している人には大きな負担となる可能性があります。動向を注視しつつ、主治医への相談や情報収集を早めに行い、備えを進めておきましょう。
 

出典

内閣府 経済財政運営と改革の基本方針2025について 令和7年6月13日 閣議決定
全国保険医団体連合会 骨太の方針2025(otc類似薬保険適用除外)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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