「年収385万円」を超すと「児童扶養手当」が受けられない!「年収400万」でも生計の維持が危ういシングルマザーの実態とは

配信日: 2025.07.04 更新日: 2025.09.26
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「年収385万円」を超すと「児童扶養手当」が受けられない!「年収400万」でも生計の維持が危ういシングルマザーの実態とは
児童扶養手当とは、ひとり親家庭の生活・自立を促し、児童の福祉の増進を図るために支給される手当です。所得が385万円を超えると手当を受けられない中、年収400万円でも生計の維持が危ういといわれます。
 
本記事では、児童扶養手当の概要や母子家庭の収入・支出、所得を下げるテクニックを解説します。
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前年の所得が「385万円」を超えると「児童扶養手当」が受けられない

こども家庭庁によると、児童扶養手当の支給対象者は18歳に達した後、その年度末までの児童を育てている親です。障害児の場合は、20歳未満となっています。主な支給要件は以下の通りです。

●両親が離婚した子ども
●父か母が死亡した子ども
●父か母が一定の障害を持っている子ども
●父か母の生死が不明な子ども

また、手当額と所得制限限度額を表1にまとめました。所得制限限度額は全部支給が190万円、一部支給が385万円となっており、前年の所得が385万円を超えると児童扶養手当が受けられなくなります。
 
表1

手当額(月額) 加算額(2人目以降、1人あたり) 所得制限限度額(2人世帯)
全部支給 4万6690円 1万1030円 190万円
一部支給 1万1010~4万6680円 5520~1万1020円 385万円

出典:こども家庭庁「児童扶養手当制度の概要」を基に筆者作成
※所得制限限度額は前年の所得に基づいて算定されます。
 

世帯によっては「年収400万円」でもギリギリの可能性も

総務省統計局が公表した「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果」を基に、1ヶ月あたりの母子世帯(勤労者世帯)の収入と支出を表2にまとめました。
 
表2

実収入 26万1587円
可処分所得 23万2626円
消費支出 19万6379円
非消費支出 2万8961円

出典:総務省統計局「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果」を基に筆者作成
 
1年あたりの実収入は313万9044円、可処分所得は279万1512円、差額は34万7532円となる計算です。所得は385万円以下となるため、児童扶養手当は受けられますが、子どもの人数が多い場合は収支が厳しくなるでしょう。
 
また、学資保険や生命保険に加入している場合、世帯によっては年収400万円でも厳しいかもしれません。株式会社トイントの調査によると、月払いの方の保険料は1万円以上2万円未満を払っていると回答した人が46.70パーセントとなりました。
 
公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、生命保険の世帯年間払込保険料は、23万9000円となっています。年収400万円の場合は児童扶養手当を受けられませんが、保険料だけでも年間の負担は少なくないでしょう。
 

「iDeCo」を活用して所得を下げる方法も

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金に上乗せして給付を受けられる私的年金制度の一つです。掛け金は全額所得控除の対象となるため、所得税・住民税の軽減はもちろん、所得を下げて児童扶養手当の所得制限限度額を回避できる可能性があります。
 
また、保育料も所得によって変動するため、所得を下げることで保育料も抑えられるかもしれません。さらに、運用益に税金がかからない点や、年金受取時に公的年金等控除や退職所得控除の対象になる点もメリットです。
 

まとめ

児童扶養手当には所得制限限度額が設けられており、全部支給は190万円、一部支給は385万円を超えると手当を受けられなくなります。
 
将来のために学資保険や生命保険に加入している場合は、さらに年間で数十万円の負担が増えるため、年収400万円でも生計の維持は、厳しいかもしれません。所得制限限度額を回避したい人は、iDeCoなどを活用して所得を下げるのも方法の一つでしょう。
 

出典

こども家庭庁支援局 家庭福祉課 児童扶養手当
総務省統計局 2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要(15ページ)
株式会社トイント 学資保険はいつから入る? 受取金額はいくら ?決め方等【アンケート調査&ランキング】
公益財団法人生命保険文化センター 2024(令和6)年度「生命保険に関する全国実態調査」(2025年1月発行)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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