ただより高いものはない「給付奨学金」
配信日: 2017.09.20 更新日: 2019.05.17
Text:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/
給付奨学金の概要
住民税非課税世帯等や社会的養護を必要とする生徒が申し込むことができます。進学を後押しすることが目的のため、2018年度から進学前の予約採用のみの申込受付となります。選考は、申込時までの成績や課外活動等を基に判断されます。判断基準は学校ごとに異なります。給付額は、月2万~4万円です。ただし、国立大学等に進学して、授業料の全額免除を受ける場合には、給付金額が減額されます。社会的養護を必要とする生徒については、別途、一時金として24万円が採用時に支給されます。なお、貸与型の第一種奨学金(無利子)、第二種奨学金(有利子)や入学時特別増額貸与奨学金(有利子)との併用もできます。
在籍確認
給付奨学金独自の手続きです。進学先の大学等に在籍していることを確認するため、インターネットを通じて、定期的(7月・10月)に在籍状況について報告を求められます。もし、期限までに報告をしないと、給付奨学金の交付が停止します。
「給付奨学金継続願」の提出
貸与奨学金と同じように、毎年度、インターネットを通じて「給付奨学金継続願」の提出が求められます。「給付奨学金継続願」を期限までに提出しないと、奨学金の交付は「廃止」(奨学生の資格を失います)となります。忘れずに手続きをしましょう。
適格認定
貸与奨学金と同じように、毎年度、奨学生としてふさわしいかどうか、学力等について適格性を審査され、翌年度の奨学金交付の可否等が決められます。次の場合等は奨学金の交付の「廃止」または一定期間停止とされるほか、交付済みの奨学金の返還を求められることがありますので注意してください。
- 学業成績が著しく不振の場合
- 停学等の学校処分を受けた場合
- 経済的状況の回復が見られる場合(返還は求められません)
アルバイトは慎重に
経済的に余裕がないから、奨学金をもらったり、借りたりしているのに、奨学金が途中で打ち切られたり、返還を求められたりしたら大変です。専門学校や大学の理系や芸術系は、授業や研究、作品制作などで忙しく、アルバイトをする余裕はありません。アルバイトを頑張りすぎて単位を落とし留年でもしたら大変です。奨学金を打ち切られたら学校を辞めざるを得ないでしょう。ブラックバイトも問題になっています。アルバイトよりも学業を優先しましょう。