リモートワークが増え「車」を使う頻度が減少! 子どもの送迎に“週3回”乗る程度ですが、いっそ「カーシェア」に切り替えたほうがお得になるでしょうか? メリット・デメリットを確認
本記事では、カーシェアのメリットやデメリット、自家用車と比較した際の家計への影響について解説します。
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カーシェアの仕組みと利用状況
カーシェアは、会員同士で車を共有するサービスです。レンタカーと違って、会員登録する必要があります。利用する際の一般的な手順は、以下の通りです。
1. パソコンやスマホで事前に車の利用を予約する
2. 指定のステーションに行く
3. 会員カードやスマホなどで解錠し、車を使用する
4. 必要に応じて、給油・洗車する
5. ステーションに車を戻す
6. 会員カードやスマホなどで施錠する
7. クレジットカードなどで支払いする
会員登録を済ませ、ネット予約をしてステーションに行けば車を使用できるため、利便性は高いといえるでしょう。
実際に、カーシェアの会員数は右肩上がりで、2022年時点で約263万人が登録しており、現在ではさらに増えているとされています。車両台数やステーションの数も年々増えており、今後さらに規模が広がる可能性もあります。
カーシェアのメリットとデメリットを説明
カーシェアは、自家用車と比べてどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれの特徴をまとめたものが、以下の図表1です。
図表1
| カーシェア | 自家用車(トヨタアクアの場合) | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 無料 | 車両購入費:200万~300万円 |
| 利用料 もしくは 維持費 |
・月額基本料金:1000~2000円 ・利用料金:15分あたり約200円 |
・自動車税:3万500円 ・保険料:15万円 ・車検代:10万5650円 (2年に1回) ・メンテナンス費:1万3640円 ・ガソリン代:年間5万6100円 (燃費:30キロメートル/リットル) (年間1万キロメートルだと約330リットル必要) (ガソリン1リットル170円の場合) |
| 車種 | 使用するたびに選べる | 毎回同じ |
| メンテナンス | 業者が行う | 自分で行う |
国土交通省、トヨタホームページより筆者作成
カーシェアのメリットは、利用料金の中にガソリン代などの維持費が全て含まれている点です。車を利用した時間や回数に対してのみ費用がかかるため、計算もしやすいでしょう。
また、使用するたびに好きな車種を選べるため、用途や乗車人数に合わせて車を替えられるのも、大きな強みと言えます。
デメリットは、利用しない月も基本料金を支払わなければならない点です。維持費に比べれば安いものの、利用頻度によっては無駄な出費になりかねません。
また、利用時に車内が必ずしもきれいな状態とは限らない点も難点の1つです。メンテナンスは、業者が定期的に行う仕組みになっています。そのため、使用するタイミングによっては、ゴミが残っていたりハンドルなどが汚れていたりすることもあるでしょう。
自家用車からカーシェアに切り替えた場合、利用時間によってはお得になる
自家用車からカーシェアに切り替えると、家計への影響はどのくらいあるのかを図表1より試算します。自家用車を保有して1年間使用した場合、維持費として25万240円もしくは34万2250円(車検の有無により変動)かかります。
一方で、カーシェアに登録し、2時間利用を週3回とした場合の計算結果が以下の通りです。
【月額基本料金】2000円×12ヶ月=2万4000円
【1週間の利用料金】200円(15分あたり料金)×4×2時間×週3回=4800円
【1年間の利用料金】4800×4週×12ヶ月=23万400円
【1年間の合計費用】2万4000円+23万400円=25万4400円
利用時間によって変わりますが、2時間を週に3回ほどであれば、自家用車と同等もしくは自家用車よりも10万円ほど安く済みます。また、自家用車の場合は、別途で車両購入費や駐車場代などがかかる場合もあるため、カーシェアの利用時間がさらに増えたとしても、お得になる可能性が高いでしょう。
まとめ
自家用車を購入し、保有し続けることは家計を大きく圧迫します。子どもの送迎で週3回使うだけなど、利用頻度によってはカーシェアのほうが安く済むでしょう。費用だけでなく、維持するための時間を削減できる点もカーシェアのよいところです。
自身の状況を考慮し、自家用車からカーシェアに切り替えることも検討してみる価値があるでしょう。
出典
消費者庁 カーシェアリングの動向整理
執筆者 : 舟山こうた
FP2級、小学校一種免許
