「教育費はそのときになれば何とかなる」と楽観的な息子……。今年「子ども」が生まれるのに貯金は「150万円」しかないそうですが、大丈夫でしょうか?
配信日: 2025.07.05

今回は、30代世帯の平均貯蓄額や、子ども一人を育てるのにかかる教育費の目安、そして今からできる資金準備の方法を解説します。

ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
30代の貯蓄額の平均
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、世帯主が30代である2人以上世帯の平均預貯金額は、286万円です。
したがって、タイトルの「貯蓄150万円」は、平均よりも136万円少ないといえます。
ただし、この金額は全国平均です。また、世帯人数が3人以上の世帯も含まれるため、夫婦世帯のみの数値とは異なる点にご注意ください。
義務教育課程で発生する教育費の目安
ここでは、小学校から中学校までの義務教育課程でどれくらいの費用が必要なのかを、公立・私立別に見ていきます。
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、小学校・中学校の1年間あたりの平均学費は表1の通りです。
表1
学校 | 費用 |
---|---|
公立小学校 | 33万6265円 |
私立小学校 | 182万8112円 |
公立中学校 | 54万2475円 |
私立中学校 | 156万359円 |
※文部科学省「令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します」を基に筆者作成
公立小学校に6年間、そして公立中学校に3年間通った場合、義務教育9年間でかかる学費の総額は、約364万5015円です。
一方、私立小学校から私立中学校へ進学した場合には、同じ期間で約1564万9749円にのぼり、公立と比べて4倍以上の負担となります。
30代で子どもがいる世帯は教育費以外への備えも必要
30代で子どもがいる世帯の場合、準備しなければいけないのは教育費だけではありません。
例えば老後資金です。総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によれば、「65歳以上の単身無職世帯」の家計は月平均2万7817円の赤字となっています。就労しない場合は貯蓄を取り崩さなければならない可能性があるため、できるだけ早い段階から備える必要があるでしょう。
また、マイホームの資金や家族の病気などで、急な出費が必要になることもあるかもしれません。
貯蓄を早く始めるほど、いざというときの出費に備えやすく、老後資金の準備もスムーズに進めやすくなる場合があります。
30代がお金をためる方法
30代で子どもがいる世帯は、お金をためるための制度やサービスを利用するとよいかもしれません。例えば、積立預金や財形貯蓄、学資保険、NISAなどが挙げられます。
積立預金は預金口座から、財形貯蓄は職場の給料から、毎月一定額が自動的に積み立てられる仕組みです。
学資保険は所定の期間保険料を支払うと、大学などに入学するタイミングで返戻金が受け取れます。また、契約者が死亡、または高度障害状態になった場合、それ以降の保険料の支払いが免除されるのが一般的です。
NISAは、株式や投資信託に投資して受け取った際の利益が非課税になる制度です。ただし、投資のため元本割れのリスクがある点に注意しなければなりません。
また、お金をためるためには生活費の見直しも重要です。保険料やスマホ代などの固定費や電気などの光熱費のプランを見直すことで、出費をおさえられることもあるでしょう。
小学校・中学校の9年間にかかる平均教育費は、すべて公立で約364万円、すべて私立で約1565万円
公立小学校と公立中学校の9年間にかかる教育費は、約364万円にのぼります。すべて私立を選んだ場合は約1565万円となり、公立の約4倍以上の負担です。
このように、義務教育の段階だけでも教育費は家計に大きな影響を及ぼします。30代で子どもがいる世帯は、教育費に加え、老後資金や急な出費への備えも必要になるでしょう。できるだけ早いうちから計画的に貯蓄を始めることが大切です。
今回ご紹介した内容を参考に、ご自身に合った方法で将来への準備を進めてください。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー