祖父のアルバムに昭和24年の「月に雁の切手シート」が挟まっていました。売れば「3万円以上」になると聞いたのですが、本当でしょうか?

配信日: 2025.07.05

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祖父のアルバムに昭和24年の「月に雁の切手シート」が挟まっていました。売れば「3万円以上」になると聞いたのですが、本当でしょうか?
祖父母の思い出のアルバムを見ていると、その中に切手シートが挟まっているのを目にする経験をされた方もいるかもしれません。現在販売されている切手よりも大きく、月を背景として3匹の雁(かり)が描かれた浮世絵風の美しいデザインの切手が見つかると、貴重なものなのではと考える方もいるでしょう。
 
この記事では、「月に雁(つきにかり)」切手の特徴や価値、査定時のポイントについて解説していきます。
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「月に雁」切手とは

「月に雁」切手は、昭和24年(1949年)11月1日に発行された切手です。この切手は「切手趣味週間」の一環として発行されたといわれており、図案には江戸時代後期に活躍した浮世絵師である歌川広重の「月に雁」が採用されました。
 
夜空に浮かぶ満月と、編隊を組んで降下する雁の姿が描かれた芸術作品を楽しめるデザインになっています。切手は縦長の5枚つづりのシートとして販売されたとされ、1枚のサイズは67ミリメートル×30ミリメートルです。日本で最も大きな郵便切手の1つであり、額面は1枚8円でした。
 
「月に雁」切手が当時から話題になった要因には、趣味週間シリーズの第2回として前年の1948年11月29日に発行され人気のあった「見返り美人切手」の影響が大きいとされています。
 
「月に雁」切手の発行枚数は200万枚とされており、切手としては発行枚数が少ないことから、希少価値が高く、買い取り価格も高い傾向があるようです。
 

「月に雁」切手の買い取り相場

「月に雁」切手は、コレクターの間で高い人気を保っており、市場でも比較的高値で取引されやすいプレミアム切手の1つとされています。専門業者やネットオークションの事例では、5枚つづりのシートとして保存状態が良好な場合、1万7000円程度が相場とされており、中には5万円程度で取引される可能性もあるようです。
 
また、切り離された1枚ごとの「バラ」の状態でも、数千円程度で買い取られることがあるとされます。
 
ただしこれらの金額は、過去の事例や市場の傾向に基づいた目安に過ぎません。最終的な評価額は状態や需要、査定を受ける業者、オークションにおけるタイミングなどによっても大きく異なる点に注意が必要です。
 

高額で買い取ってもらうための3つのチェックポイント

同じ「月に雁」切手でも、保存状態や保管方法、見せ方次第で査定額が大きく変わる可能性があるようです。希少価値の高いプレミアム切手だからこそ、細かいポイントの積み重ねが最終的な評価に直結します。
 
高く評価されやすい主なチェックポイントを、以下に詳しく整理しておきます。
 

1・シートのまま保管されているか

月に雁の切手は、発行時は5面が1枚に印刷されたシートで販売されていたといわれています。そのため、5面連刷のシート状態で残っているものは、コレクターからの評価が高くなる傾向があります。
 
そのため、切り離してしまうと価値が下がってしまうおそれがあるので、シート状で保管されている場合は、そのままで査定に出すとよいでしょう。
 

2・シミ・変色・破れがないか

古い切手は紙製品のため、保管状態が価値を大きく左右します。特に注意したいのが、シミや変色、破れといった経年劣化の痕跡です。湿気や紫外線の影響を受けやすく、高温多湿な日本では気づかぬうちにダメージが進んでいることもあるようです。
 
こうしたダメージは、わずかなものであっても査定の際に減額の対象になる可能性があります。特に角の欠けや折れ、破れがある場合は、コレクターからの評価が大きく下がる傾向があるようです。保存の際は直射日光を避け、湿度にも注意を払いましょう。
 

3・専門業者に査定を依頼する

希少な記念切手は、リサイクルショップなどでは正確な価値を判断してもらえない場合があるため、切手を専門に扱う業者に相談することをおすすめします。できれば複数社から見積もりを取り、相場感を確認しておくとよいでしょう。
 

状態がよければ「3万円以上」も現実的

アルバムなどで「月に雁」の切手シートを発見した場合、価値が「3万円以上になる」との話は、状態が良好な5枚シートであれば現実味のある水準のようです。
 
昭和24年発行の歴史と、浮世絵の芸術性を備えたこの切手は、多くの収集家から高く評価されています。しかし、リサイクルショップなどでは適正に評価されず、高額査定が受けられない可能性もあるようです。まずは切手の状態を丁寧にチェックし、信頼できる切手専門業者に査定を依頼するところから始めましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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