熊本旅行中に「Suicaが使えず」現金払いに…なぜ廃止されたのでしょうか?今後、他の県でも使えなくなるのでしょうか?

配信日: 2025.07.04

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熊本旅行中に「Suicaが使えず」現金払いに…なぜ廃止されたのでしょうか?今後、他の県でも使えなくなるのでしょうか?
これまで全国の多くの交通機関で使えたSuicaなどのICカードが、熊本では2024年11月以降、利用できなくなりました。なぜこうした決断がなされたのでしょうか? また、今後は他の地域でも同じことが起こる可能性があるのでしょうか?
 
本記事では、その背景と今後の動向、旅行中に困らないための対策についてわかりやすく解説します。
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なぜ熊本でSuicaが使えなくなったの?

2024年11月以降、熊本県内のバス・電鉄電車(九州産交バス、産交バス、熊本電鉄、熊本バス、熊本都市バス)で、Suicaなど全国交通系ICカードの利用が廃止されました。その理由は、ICカードの読み取り機器の更新費用が非常に高額だったからです。
 
5社全体で必要とされた更新費用は、なんと約12億円。これに対して国の補助金制度は「新規導入」には適用されますが、「機器の更新」には使えません。そのため事業者がすべて自己負担で対応する必要があり、経営上難しいと判断されました。
 

現地で使える支払い手段はあるの?

「ICカードが使えない」と聞くと不便に思えますが、熊本ではすでに現金以外にも新たな支払い手段が導入されています。
 
まず、2025年2月下旬から、クレジットカードのタッチ決済に対応しています。VisaやJCB、Mastercardなどのタッチ決済対応カード、またはこれらのクレジットカードをスマホのタッチ決済に登録していれば利用できます。
 
また、「くまモンのICカード」という地域限定の交通ICは引き続き使用可能です。これは全国交通系ICカードとは異なり、熊本県内専用のカードです。
 

他の県でもICカードが使えなくなる可能性はある?

熊本の決断は、全国交通系ICカードを導入した主要な地域交通事業者としては初めて「離脱」を表明した例です。このため、他の地域の公共交通機関も、同様の決断を検討する可能性はゼロではありません。
 
特に地方では、機器の維持費や利用者数の少なさがネックになっており、「現状維持が難しい」とする声も上がっています。実際、熊本と同様に補助金の制限がネックとなっている地方交通事業者は少なくありません。
 
ただし、大都市圏(東京・大阪・名古屋など)では利用者が多く、ICカードは引き続き主流であるため、近い将来に大規模な廃止が起こる可能性は低いでしょう。
 

まとめ:旅行前にチェックしたいキャッシュレス事情

熊本でSuicaが使えなくなった背景には、高額な更新費用と補助金制度の壁がありました。旅行者にとっては少し不便に感じるかもしれませんが、現金のほかにも「クレジットカード決済」が可能です。
 
今後、地方の公共交通においてキャッシュレス事情はさらに多様化していくでしょう。旅行の際には、事前に現地の支払い方法を確認しておくと安心です。現金も用意するなど、複数の支払い手段で、万一の時にも対応できるよう準備しておきましょう。
 

出典

九州産交バス株式会社 産交バス株式会社 熊本電気鉄道株式会社 熊本バス株式会社 熊本都市バス株式会社 共同経営推進室 全国交通系ICカードのサービス停止とクレジットカード等のタッチ決済機導入について
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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