中学受験の”塾の費用”は月にどれくらいかかりますか? 現在専業主婦なのですが「年収600万円」の夫の収入だけで問題ないでしょうか?
配信日: 2025.07.06

そこで本記事では、中学受験にかかる塾費用の実態と、年収600万円世帯がどのように対応できるのかを解説します。

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中学受験にかかる塾の費用とは?
中学受験に必要な塾費用は、家庭にとって大きな負担となることがあります。まずは一般的なデータを踏まえて、塾代の目安や補助的な学習費の実態を確認しておきましょう。
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、児童1人あたりの年間の補助学習費(学習塾や家庭教師、通信教育など学校外学習にかかる費用)の平均は、公立小学校で9万3000円、私立小学校が37万5000円と、公立と私立で大きく異なります。また、中学受験を目指す家庭では、この平均を大きく上回る傾向があります。
中学受験対策として通う進学塾は、学年が上がるにつれて通塾日数や授業内容が増えるため、費用も年々高くなります。主な進学塾で授業料の目安は、小学4年生で月2~4万円、5年生で月2万5000~5万円、小学6年生で月3~6万円程度と、塾やコースによって幅があります。
この3年間を通じて通塾した場合の合計は、200~250万円程度が目安です。これに加えて、夏期講習・冬期講習・春期講習で年間約10〜20万円、6年生の志望校別特訓が約10〜30万円、模試・教材費・施設利用費で年間約5〜10万円などの追加費用が発生します。これらを含めると、総額は250〜300万円程度になるケースも珍しくありません。
年収600万円の家庭で支払えるのか?
年収600万円の会社員家庭の場合、税金や社会保険料を差し引いた手取りはおよそ480万円前後になります。月換算で約40万円の手取りがある計算ですが、実際にはボーナス月を除くと、毎月の手取りは30万円前後となるケースが一般的で、このなかから住宅費・食費・光熱費・通信費・保険料などを支払うことになります。
塾代が月5万円かかると仮定すると年間60万円で、これは手取りの約12.5%を占めます。中学受験のピークである小学6年生になると、月6万円以上かかる場合もあり、家計に占める割合はさらに高くなります。
夫の収入だけでこれらの費用を捻出するには、家計の見直しや、節約意識を高めた生活が求められるでしょう。
家計への負担を軽くする工夫
中学受験を目指すご家庭でも、工夫次第で費用負担を軽減することが可能です。以下のような対策を検討してみましょう。
1. 通信教育や家庭学習の活用
通塾よりもコストを抑えられる通信教育を活用し、家庭学習と併用することで費用を抑えながら学力向上を図れます。子どもの性格や学習スタイルに合っていれば、塾よりも効果が出る場合もあります。
2. 公立中高一貫校の受験を検討する
私立中学に比べて学費が抑えられる公立中高一貫校も、選択肢の一つです。特に、東京都などでは人気が高く、対策に特化した塾や通信講座も存在します。
3. 自治体や学校の助成制度を活用する
自治体によっては、中学受験にかかる費用への助成制度を設けているところもあります。全国的には少数ですが、地域の教育委員会や市役所で情報を集めてみるとよいでしょう。
4. 家計の見直しをする
通信費や光熱費、食費などの固定費を見直すことで、毎月数万円の節約が可能です。固定費の削減は、長期的に家計を安定させる効果があります。
事前準備と計画的な支出で乗り切ろう
中学受験の塾費用は、小4〜小6の3年間で180万円かかるのが一般的です。また、夏期・冬期講習や志望校別特訓、模試、教材費などを含めた総額では、250~300万円程度が目安とされています。
年収600万円の家庭で専業主婦がいる場合、家計への負担は決して小さくありませんが、事前に準備を整え、教育費以外の支出を見直すことで、無理なく対応することは可能です。通信教育や公立中高一貫校の活用、助成制度の利用なども視野に入れながら、家族で話し合い、将来を見据えた教育投資を計画的に進めましょう。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー