娘が気に入ったマンションの「家賃」が高すぎて心配です。「手取り26万円」で「家賃15万円」…セキュリティー重視とのことですが、やりくりは可能なのでしょうか?

配信日: 2025.07.06

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娘が気に入ったマンションの「家賃」が高すぎて心配です。「手取り26万円」で「家賃15万円」…セキュリティー重視とのことですが、やりくりは可能なのでしょうか?
娘が気に入ったマンションの「家賃」が高めで、家計への影響が気になるという方もいるかもしれません。特に「手取り26万円」で「家賃15万円」となると、無理なく暮らしていけるのか不安になるのも無理はありません。
 
本記事では、セキュリティー重視の物件を選ぶ場合の家賃とのバランスや、収入に対する目安、家計への影響について解説します。
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「適正家賃」の常識は変わった?

ひと昔前は「家賃は月収の3分の1まで」が一般的でしたが、日本経済が右肩上がりだった時代と今の時代とでは、状況が大きく異なります。終身雇用が当たり前でなくなり、給与の伸びも緩やかになった今、家賃をより慎重に決める必要があります。
 
近年の適正家賃の目安は、「年収の20%から25%以内」、あるいは「手取り月収の25%から30%以内」です。手取り月収26万円ですと、ボーナスを除いた年収は312万円であるので、年収の25%なら月額約6万5000円です。
 
これらの目安から見ると、家賃15万円という設定は、手取り26万円の約57.7%にも達し、かなり高い水準となります。家計に影響を与えかねないため、無視できないポイントです。
 
さらに入居審査の壁もあります。多くの不動産会社や大家さんは、家賃の支払い能力を測るために、家賃を毎月滞りなく支払えるかどうかを重視するのが一般的です。通常は「家賃の36倍以上の年収」が審査を通過する1つの基準とされており、手取り26万円で家賃15万円の物件は「かなり厳しい」とされる水準です。
 
ただし、親の援助や連帯保証、オーナー判断による柔軟な対応、保証会社の審査が比較的甘い場合など、例外的に審査を通過できるケースもゼロではありません。
 

手取り26万円で家賃15万円の家計簿シミュレーション

仮に審査を通過して入居できたとしても、毎月のやりくりは無理なく続けられるのでしょうか。実際の支出バランスをシミュレーションしてみましょう。
 
手取り26万円の方が家賃15万円の物件に住むと、どのような生活になるのでしょうか。手取り26万円から家賃15万円を差し引いた残りの11万円で、食費や水道光熱費をはじめ、通信費、日用品費、交際費などの費用や、貯蓄をすべて賄う必要があります。
 
例えば、都内での1人暮らしに毎月かかる費用として、食費が4万〜5万円、水道光熱費が1万円、通信費が7000円、日用品費が1万円程度とします。手元に残るのは3万円ほどで、計画的なやりくりが求められるでしょう。
 

現実的な代替案

「安心で快適な暮らしがしたい」という希望を叶えつつ、家賃の負担を軽減するためには、他の選択肢を検討するのも1つの方法です。
 
例えば、住みたいエリアを広げてみることで、家賃が下がる可能性があります。都心や人気エリアにこだわらず、少し離れた駅や各駅停車しか停まらないエリアも検討すれば、条件の良い物件が見つかるかもしれません。
 
駅からの距離についても、徒歩5分圏内に限定せず、15分程度まで広げてみると選択肢は広がります。通勤や買い物の利便性を考えるなら、自転車の活用を前提にするのも現実的です。
 
また、希望条件の優先順位をはっきりさせることも大切です。たとえば「セキュリティー」が最優先なのであれば、「広さ」や「築年数」など、他の条件を少し緩めてみるだけで、手の届く物件が見つかる可能性があります。
 
このように、少し視点を変えるだけで、家賃を抑えながらも安心して暮らせる選択肢は見つかるはずです。柔軟に考えて、無理のない住まい探しを心がけましょう。
 

手取り26万円での家賃15万円は負担が大きい

手取り26万円での家賃15万円は、家計を著しく圧迫するだけでなく、そもそも入居審査という高いハードルがあり、現実的な選択肢としては難しいかもしれません。
 
ただし、勤務先によっては住宅手当や家賃補助が支給されるケースもあります。もし該当する場合は、実質的な負担が軽くなる可能性もあるため、事前に確認しておくと安心です。
 
家賃負担を軽減する工夫も視野に入れつつ、後悔のない最適なバランスを見つけることが重要です。
 

出典

政府統計の総合窓口e-Stat 家計調査 家計収支編 単身世帯
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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