子どもが大学進学するにあたり、奨学金を借りることを検討しています。世帯年収「600万円」の家庭で、いくら借りるのが“後悔しない額”なのでしょうか?

配信日: 2025.07.07 更新日: 2025.09.26
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子どもが大学進学するにあたり、奨学金を借りることを検討しています。世帯年収「600万円」の家庭で、いくら借りるのが“後悔しない額”なのでしょうか?
子どもの大学進学は、家庭にとって大きな節目となります。特に世帯年収が600万円程度の家庭では、学費や生活費の負担が重くのしかかることもあるでしょう。そのため、奨学金の利用を検討する家庭も少なくありません。しかし、奨学金の借入額や返済計画を誤ると、将来的に家計を圧迫するリスクもあります。
 
そこで本記事では、世帯年収600万円の家庭が後悔しない奨学金の借り方をするためのポイントを解説します。
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世帯年収600万円の家庭が利用できる奨学金制度とは?

世帯年収600万円の家庭でも、条件を満たせば奨学金制度を利用することが可能です。主な制度として、日本学生支援機構(JASSO)の「給付型奨学金」と「貸与型奨学金」があります。
 
2024年度からは、「高等教育の修学支援新制度」が拡充され、世帯年収600万円程度の中間所得層でも多子世帯や私立大学の理工農系学部に進学する場合は、給付型奨学金や授業料減免の対象となる可能性があります。
 
また、貸与型奨学金には、無利子の「第一種奨学金」と有利子の「第二種奨学金」があり、世帯年収や学力基準に応じて利用可能です。
 

大学進学に必要な費用

文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、大学進学にかかる1年間の費用は、国公立大学で53万5800円、私立大学で123万6533円が平均とされています。なお、入学金は国公立が28万2000円、私立が24万806円です。
 
また、これに加えて生活費や教材費なども必要となり、年間で150〜200万円程度の出費が見込まれます。
 
世帯年収600万円の家庭が、これらの費用を全額自己負担するのは難しい場合もあります。また、返済額は収入や生活状況によって負担感が異なるため、事前によくシミュレーションしておくことが大切です。
 

奨学金の返済シミュレーション

奨学金の返済は、卒業後の生活に大きな影響を与える可能性があります。特に、借入額が大きい場合や返済期間が短い場合は、月々の返済額が高額となり、生活費を圧迫することもあるでしょう。
 
例えば、総額300万円の奨学金を借りた場合、日本学生支援機構のシミュレーションサイトによると以下のような返還例になります。

奨学金の種類:第二種奨学金
貸与利率:1.712 %
返還期間:2025年10月~2042年9月(17年、204回)
返還方法:月賦返還
返還額:(通常)1万7082 円/月、(最終)1万7299 円/月
返還総額:348万4945 円

奨学金の借入額を決定する際は、将来的な収入や生活費を考慮し、無理のない返済計画を立てることが重要です。返済期間を延ばすことで月々の返済額を抑えることも可能ですが、総返済額が増える点にも注意が必要です。
 

奨学金の借入額の目安

以上の点を踏まえると、“後悔しない奨学金の借入額”としては、年間50万円、4年間で総額200万円程度がひとつの目安となります。200万円を10年間で返済する場合、月々の返済額は約1万7000円です。卒業後の生活に与える影響は収入や生活状況によって異なりますが、この水準であれば負担を抑えられる可能性は高いでしょう。
 
奨学金の借入額や返済計画は、ご家庭の状況や将来設計に大きく関わる重要なテーマです。家族でよく話し合い、必要に応じて専門機関の相談も活用しながら、無理のない計画を立てましょう。
 

後悔しない奨学金の借り方を

世帯年収600万円の家庭が、子どもの大学進学に際して奨学金を利用する際には、まず給付型奨学金や授業料減免制度の対象条件(多子世帯や私立理工農系学部進学など)を確認し、該当する場合はこれらの制度を活用することが大切です。
 
また、貸与型奨学金を利用する場合には、借入額を必要最低限に抑えることが、将来の返済負担を軽減するうえで重要なポイントになります。さらに、返済シミュレーションを通じて、現実的かつ無理のない返済計画を立てることが欠かせません。
 
奨学金制度は随時見直されるため、常に最新の情報を確認し、自分の家庭に適した制度を選ぶようにしましょう。これらの点を意識して計画的に奨学金を利用すれば、子どもの大学進学を支えながら、家計の健全性も保つことができます。不安や疑問がある場合は、進路指導担当者や奨学金の相談窓口に相談することをおすすめします。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金貸与・返還シミュレーション
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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