6年間住んだ賃貸の”退去費用”が「20万円」!? ペットや喫煙はなく、掃除もきれいにして退去しましたが、普通なのでしょうか?

配信日: 2025.07.07 更新日: 2025.09.26
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6年間住んだ賃貸の”退去費用”が「20万円」!? ペットや喫煙はなく、掃除もきれいにして退去しましたが、普通なのでしょうか?
賃貸物件を退去する際、予想以上の退去費用を請求されることがあります。特に、ペットを飼っておらず、喫煙もせず、丁寧に掃除をして退去したにもかかわらず、高額な費用を請求されたら疑問に思うのは当然でしょう。
 
そこで本記事では、退去費用の相場や負担の基準、請求内容の確認方法などについて解説します。
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退去費用の相場とは?

退去費用は、物件の広さや状態、居住年数などによって異なります。一般的な相場として、20平方メートルのワンルームで1万5000~3万5000円、40平方メートルの1LDKで2万5000~4万円、70平方メートルの3LDKで3万5000~7万円程度が目安とされています。
 
今回の20万円の退居費用は、この相場と比較すると高いといえるでしょう。ただし、これはあくまで参考値であり、実際の請求額は物件の状態や契約内容によって大きく変動します。
 
また、故意や過失による損傷がある場合や、契約時に特約として定められていた費用がある場合には、追加費用が発生することもあります。したがって、請求額が高額な場合でも、まずはその内訳を確認することが重要です。
 

原状回復の範囲と負担の基準

国土交通省が示す「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、原状回復の費用負担は以下のように分かれます。

経年劣化や通常使用による損耗:貸主(大家さん)の負担
入居者の故意・過失による損傷:借主(入居者)の負担

例えば、家具の重みで床にできたへこみや、日焼けによる壁紙の変色などは、通常使用による損耗とされ、貸主の負担になります。一方で、タバコのヤニによる壁の変色や、ペットによる傷などは入居者の負担となる可能性が高いです。
 
このガイドラインに法的拘束力はありませんが、多くのトラブル解決の際の判断基準として用いられています。
 

契約書の特約に注意

賃貸契約書には、退去時の費用負担について「特約」が設けられていることがあります。例えば、「退去時にハウスクリーニング費用として〇万円を負担する」といった内容です。
 
このような特約は、契約時に借主が内容を十分に認識し、同意していれば有効とされます。ただし、特約の内容が不明確、事前に十分な説明がない、借主の利益を一方的に害する場合には、無効とされることもあります。そこで、契約時の説明内容を記録しておけば、トラブル防止に役立ちます。
 

請求内容の確認と対応方法

高額な退去費用を請求された場合は、以下の点を確認し、冷静に対応しましょう。
 
まず、請求明細の内訳を確認し、不明な項目や不自然な金額がないかチェックします。不明点があれば、管理会社や大家さんに説明を求めましょう。
 
次に、契約書を見直して、退去費用に関する特約があるかを確認しましょう。契約内容に基づいた請求であっても、ガイドラインや法律に反する場合は無効となることがあります。納得がいかない場合は、説明を求める権利があります。
 
また、入居時や退去時の部屋の状態を記録した写真やメモがある場合は、それをもとに請求の妥当性を判断する材料としましょう。
 
それでも納得できない場合は、消費生活センターや弁護士などの専門機関に相談するのも一つの手段です。特に、ガイドラインに沿わない不当な請求が疑われる場合は、第三者の意見を仰ぐことで解決への道が開けます。
 

納得できない請求には冷静に対応しよう

退去費用が予想以上に高額である場合でも、まずは契約書や請求明細を冷静に確認し、状況を正確に把握することが大切です。そのうえで、必要に応じて説明を求めたり、記録を確認したりして、根拠のある対応を心掛けましょう。
 
納得できないまま支払ってしまうと、後からの返金交渉は難しくなります。不当な請求であると感じたら、消費者センターなどの第三者機関に相談し、適切な対応を取りましょう。契約内容を理解し、正当な範囲で費用を負担することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
 

出典

国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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