「マウスピース矯正”990円”から始められる」という広告を発見! 矯正に興味があるのですが、最終的にどのくらいの金額がかかりますか?
本記事では、こうした広告のカラクリや、マウスピース矯正にかかる実際の費用、注意すべきポイントについて解説します。
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広告の990円は本当に矯正費用? その意味を解説
「990円で矯正できる!」という広告を見たら、驚く方もいるでしょう。しかし、この金額は実際には“治療費”ではなく、「初回のカウンセリング費用」や「簡易的な診断料」を指している場合がほとんどです。つまり、矯正を始めるための第一歩としての価格であり、その後に発生する本格的な治療費は別途かかるということです。
中には、初回診断後に本格的な矯正プランが提示され、その費用が数十万円になるケースもあります。「取りあえず安く始めてみよう」と軽い気持ちで来院した結果、思わぬ出費に驚く方も少なくありません。したがって、「990円で全部済むわけではない」という認識を持つことが大切です。
マウスピース矯正の費用相場とその内訳
では、マウスピース矯正には実際どれくらいの費用がかかるのでしょうか? 治療範囲や使用するマウスピースの種類によって異なりますが、大まかな相場は以下の通りです。
●前歯だけなどの「部分矯正」:約20〜45万円
●全体の歯並びを整える「全体矯正」:約40〜100万円
例えば、キレイライン矯正などは比較的リーズナブルで、「部分矯正」に特化しています。一方、インビザラインは「全体矯正」に適しており、より複雑な症例にも対応可能な分、価格は高めです。
また、矯正治療にはマウスピース装置代だけでなく、以下のような追加費用がかかる場合もあります。大まかな相場は、以下の通りです。
●初診料:2000~5000円
●精密検査・診断料:無料~5万円
●通院・調整費:(1回あたり)無料~1万3000円
●保定装置(リテーナー):無料~10万円
●その他、虫歯治療や抜歯が必要な場合の処置費用
これらを踏まえると、最終的な費用は「カウンセリング後のプラン提示によって大きく変わる」ということを念頭に置くべきです。
支払い方法や費用を抑える工夫
多くのクリニックでは、支払い方法として「トータルフィー制」と「都度払い制」のどちらかを採用しています。トータルフィー制は、治療開始前に総額が提示され、それ以上の追加費用がかかりにくい点がメリットです。対して都度払い制は、初期費用を抑えられる一方で、最終的に割高になる可能性もあります。
費用を抑える工夫としては、以下のような方法があります。
●医療費控除の活用(年間10万円以上の医療費がかかると控除対象に)
●モニター募集やキャンペーン割引を利用する
●マウスピースの装着時間を守り、治療期間を短縮する
●金利の低いデンタルローンを検討する
特に医療費控除は見落としがちですが、確定申告をすれば所得税の還付が受けられる可能性があるため、必ず確認しておきましょう。
最終的な費用は事前確認がカギ
「マウスピース矯正が990円から」と聞くと、費用がとても安く済むように思えるでしょう。しかし、これは初回費用であるケースが多く、実際には全体的な矯正治療に数十万円がかかります。費用は治療範囲、使用する装置、追加の処置の有無によって大きく変動します。
だからこそ、矯正を検討する際には、カウンセリング時に「最終的にかかる費用」についてしっかりと説明を受けて理解することが重要です。あらかじめ予算を明確にし、費用に納得したうえで治療を始めることで、安心して自分の歯並びと向き合うことができるでしょう。
出典
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
