子どもが都内の「私立文系」に大学の進路を希望しています。一人暮らしをする必要があるのですが、4年間でどのくらいの費用がかかりますか？
本記事では、子どもが私立文系の大学へ進学した際の学費をはじめ、一人暮らしをした際にかかる費用がどのくらいになるのかについて解説します。事前にかかる費用の総額を把握し、用意するのが困難な場合は何らかの対処法も検討して子どもの進学に備えましょう。
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私立大学文系学部の初年度学生納付金は119万4841円
文部科学省の「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額（定員1人当たり）の調査結果について」によると、初年度にかかる学費の総額は119万4841円となり、その内訳は以下のとおりです。
●授業料：82万7135円
●施設設備費：14万3838円
●入学料：22万3867円
よって、大学4年間でかかる授業料は82万7135円×4（年）＝330万8540円、施設設備費は14万3838円×4（年）＝57万5352円となります。初年度にかかる入学料を加えると、私立大学4年間にかかる費用の総額は以下のとおりです。
・授業料330万8540円＋施設設備費57万5352円＋入学料22万3867円＝410万7759円
ただし、文系学部のなかでも専攻によってかかる学費に違いがあります。同調査では専攻別の授業料、入学料、施設設備費を図表1のように伝えているので参考にしてみてください。
【図表1】
| 授業料 | 入学料 | 施設設備費 | |
|---|---|---|---|
| 文・教育 | 83万5587円 | 22万3686円 | 15万1748円 |
| 神・仏教 | 76万8832円 | 22万745円 | 15万4518円 |
| 社会福祉 | 79万2688円 | 21万8549円 | 17万1128円 |
| 法・商・経 | 82万3706円 | 22万4364円 | 13万6333円 |
※文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額（定員1人当たり）の調査結果について」より筆者作成
一人暮らしの平均生活費はおよそ13万円
自宅を出て一人暮らしをする場合、毎月かかる生活費も考えなければなりません。全国大学生活協同組合連合会の「第60回学生生活実態調査」によると1ヶ月の生活費は月額13万1710円です。内訳は図表2のとおりで、4年間（48ヶ月）で632万2080円（13万1710円×48）かかります。
【図表2】
| 食費 | 2万6110円 |
| 住居費 | 5万6090円 |
| 交通費 | 5050円 |
| 教育娯楽費 | 1万3870円 |
| 書籍費 | 1500円 |
| 勉学費 | 1300円 |
| 日常費 | 7520円 |
| 電話・通信 | 3320円 |
| その他 | 2710円 |
| 貯金・繰越金 | 1万4250円 |
※全国大学生活協同組合連合会「第60回学生生活実態調査」より筆者作成
一人暮らしの部屋を借りるための初期費用も必要
一人暮らしをするに当たって賃貸物件を契約する場合、初期費用として敷金・礼金・前家賃・仲介手数料などがかかることを想定しておきましょう。これらの費用は、家賃をもとに計算します。実際にどのくらいの費用がかかるのかは家賃によって異なりますが、相場とされるのは以下の月数です。
●敷金：1～2ヶ月分
●礼金：1ヶ月分
●仲介手数料：0.5～1ヶ月分
●前家賃：1ヶ月分
●家賃保証料：0.3～1ヶ月
その他に、火災保険料や鍵交換費用として各1～2万円などの費用もかかります。
例えば家賃6万円の賃貸物件で、敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・家賃保証料のそれぞれが1ヶ月分、火災保険料と鍵交換費用が2万円だった場合、初期費用は34万円となる計算です。
国立大学なら私立大学と比べて学費をおさえられる
子どもが私立大学に進学し、かつ一人暮らしをする際の費用捻出が困難な場合、国立大学を視野に入れてもらうのも方法の一つです。文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると国立大学の授業料は53万5800円、入学料は28万2000円となり、私立に進学するよりも学費をおさえられます。
なお、国立大学ではなく私立大学へ進学する意志が固いのであれば、国の教育ローンや奨学金を利用するなど、適切な方法について子どもと話し合うなどしてみてください。
計画的に学費を貯めて私立大学への進学に備えよう
私立大学文系学部に進学した場合、 4年間で410万7759円の学費がかかります。さらに一人暮らしをした場合、4年間の生活費が632万2080円、賃貸物件契約時の初期費用が34万円程度（家賃6万円で敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・家賃保証料のそれぞれが1ヶ月分、火災保険料と鍵交換費用が2万円にて計算）となり、費用の総額は1076万9839円です。
このようにまとまったお金がかかるため、子どもが私立大学へ進学すること、一人暮らしをすることを想定し、早いうちから計画的に貯金をするなどして備えましょう。
出典
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
全国大学生活協同組合連合会 第60回学生生活実態調査 概要報告
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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