ここ「3ヶ月」“奨学金の支払い”を滞納しています。滞納を続けると“銀行口座”を止められることはありますか?
本記事では、奨学金の返還が滞るとどうなるのか、実際に口座が凍結するのはどのようなときなのかについて解説します。奨学金の返還に不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
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銀行口座が止められる(凍結する)のはどのようなとき
まず、奨学金の滞納で銀行口座が止められることはないでしょう。では、一体どんなときに銀行口座は止められてしまうのでしょうか。実際に口座が止められるときは次の3つのケースです。
口座の名義人が死亡したとき
口座の名義人が亡くなった場合、相続トラブルを避けるため、本人の口座は遺族から金融機関へ連絡後、凍結されます。金融機関に名義人の死亡が伝わると、家族に連絡がいき、直ちに口座が凍結されることもあります。また、名義人が認知症の場合は、家族からの連絡で凍結させることも可能です。
不正な取り扱いが行われたとき
犯罪に使われた可能性のある口座は、捜査や犯罪抑止のため、警察からの情報提供により凍結されます。また、口座情報の流出や健康保険証、運転免許証など、本人確認する書類が盗難に遭うことで、不正に口座が開設された場合、同名義の無関係な口座まで凍結されることもあります。
債務整理が行われたとき
銀行からの借り入れにより借金があり、債務整理する場合、対象の銀行口座が凍結され、残額がすべて差し押さえられます。
上記のような場合に銀行口座は凍結されます。つまり、奨学金の返還が滞っていたとしても、それだけを理由に銀行口座が凍結されることはないでしょう。
奨学金を3ヶ月滞納するとどのようなことが起こるのか
奨学金の返還が滞った場合、どのようなことが起こるのでしょうか。続いては、奨学金返還を滞納した際の流れや、返還できない場合はどうしたらいいのかについて解説します。
奨学金を滞納したときの流れ
奨学金返還を滞納すると、日本学生支援機構(委託業者)から督促状が届きます。それでも返還に応じない場合は、連帯保証人や保証人に連絡がいくことになります。
返還を延滞した場合の流れは次の通りです。
1.延滞している割賦金(利息を除く)に対し年3%の延滞料が延滞日数に応じて発生する
2.機構が委託した債権回収会社等から、電話にて返還の督促があり、連帯保証人や保証人へも通知される
3.返還に応じない場合は、機構が委託した債権回収会社が、本人、連帯保証人及び保証人に対し奨学金の回収を行う
4.返還開始から6ヶ月経過後に、3ヶ月以上滞納が続くと、個人信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に登録される
5.返還日が到達していない金額+延滞料、全額一括での支払いを請求される
6.返済が難しい場合、保証機関である(公財)日本国際教育支援協会によって代位弁済(保証機関が本人に変わり支払う)がなされ、年10%遅延損害金が加算されて請求される
7.返済に応じない場合は、保証機関が強制執行に至るまでの法的措置をとり、給与や財産が差し押さえられる
では、どうしても返還することが難しい場合はどうしたらいいのでしょうか?
救済制度について
災害・疾病または失業中などの理由により、返還が難しい場合には救済制度を利用する方法があります。独立行政法人日本学生支援機構によると、救済制度は以下の2つが挙げられます。
減額返還制度
返還誓約書で約束した月額での返還が難しい場合は、1回あたりの返還月額を3分の2、2分の1、3分の1または4分の1に減額できます。適用期間の上限は通算15年です。
返還期限猶予
一定期間、返還を先送りできる制度です。適用期間の上限は通算10年です。ただし、給付奨学金には適用期間の上限はありません。
救済制度を利用するには
救済制度を利用するには、インターネット(スカラネット・パーソナル)か、郵送で申請書と返還誓約書を提出する必要があります。提出がない場合は、救済制度を利用することはできないので注意してください。
すでに延滞している場合も、猶予事由に合った証明書が提出できる場合は、猶予を願い出ることができます。返還が難しくなった時点で速やかに申請しましょう。
奨学金を無理なく返済しよう
奨学金の返還が遅れることで銀行口座が止められることはないでしょう。しかし、返還を3ヶ月以上滞納すると、連帯保証人や保証人へ連絡があり、返還が難しければ代位弁済が行われます。ここで支払われた金額はもちろん請求されるため、返済に応じなければ法的措置が執行されるでしょう。
銀行口座の凍結以外にも問題はあります。それは、支払いの滞納によって、いわゆるブラックリストに載ることです。どうしても支払いが難しいときは、早めに救済制度を利用して、返還できる金額や、返還できるタイミングで、必ず返還するようにしましょう。
出典
独立行政法人 日本学生支援機構 2024年度版「返還のてびき」(給付奨学金)(16,17ページ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
