車を「エスティマ」から「ピクシス」に乗り換えるという友人。「軽ならガソリン代が安い」とのことですが、毎日“10km”運転する場合どれだけ差が出ますか?「自動車税」もあわせて比較
しかし、実際にミニバンから軽自動車に乗り換えた場合、ガソリン代がいくら変わるのかは具体的にイメージしにくいものです。
本記事では、トヨタのミニバン「エスティマ」と軽自動車「ピクシス」を比較し、毎日10キロ運転した場合のガソリン代の差額を試算します。さらに、軽自動車に乗り換えることで変わる自動車税についても解説します。
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エスティマとピクシスの燃費は?
燃費を考える上で、まずはエスティマとピクシスの燃費性能を見てみましょう。
トヨタのミニバン・エスティマ(2019年10月発売モデル)のカタログ燃費は、11.2~11.6キロメートル/リットルです。
一方、トヨタの軽自動車ピクシス(2WDモデル)は、カタログ燃費(JC08モード)が34.2~35.2キロメートル/リットルと、エスティマの3倍以上の燃費性能を持っていることが分かります。
また、ピクシスはWLTCモード(市街地・郊外・高速道路の走行パターンを組み合わせた国際基準の燃費測定法)での燃費が公表されており、25キロメートル/リットルとなっています。
WLTCモードは実際の走行環境に近い条件で計測されるため、カタログ燃費よりも実燃費に近い数値と考えられます。
一方、エスティマについては、WLTCモードでの燃費が明記されておらず、どの試験モードによる数値かが確認できないため単純な比較はできませんが、カタログ燃費だけをみてもピクシスの燃費性能が大きく上回っていることが分かります。
毎日10キロ運転した場合、1ヶ月でいくら節約できる?
では、実際にガソリン代はどのくらい違うのでしょうか。
毎日10キロ運転すると仮定した場合、1ヶ月(30日)で300キロです。レギュラーガソリンの価格は1リットルあたり184円として計算します。
エスティマ(燃費11.4キロメートル/リットル)の場合、約26リットルのガソリンを使用し、ガソリン代は4784円です。
ピクシス(燃費25キロメートル/リットル)なら12リットルで2208円となり、約2500円の節約になります。
参考までに、WLTCモードの燃費(34.2キロメートル/リットル)では、8.7リットルで1600円です。毎月のガソリン代がこれだけ変わると、年間で3万円以上の節約効果が期待できます。そのため、燃費の良い車に乗り換えると、日々の運転コストを大幅に抑えられることが分かります。
普通車と軽自動車で変わる税金等
軽自動車に乗り換えると、ガソリン代だけでなく自動車税の負担も軽くなります。普通車の自動車税(種別割)は、排気量に応じた都道府県税が課税されます。例えば、排気量が2362ccのエスティマ(2019年モデル)の場合、年間の自動車税は4万3500円です。
一方、軽自動車の軽自動車税(種別割)は市町村税として1万800円が基本税額として課税されます。この差は3万2700円になり、エスティマの税額はピクシスの約4倍です。
このように、軽自動車は税制面でも維持費を抑えられます。ただし、環境性能の高い車両には減税措置が適用される場合もあるため、実際の税額は車種によって異なる点には留意しましょう。なお初度登録から13年を経過した車両は、税額が引き上げられるため注意が必要です。
まとめ
エスティマとピクシスを比較すると、ガソリン代は2倍以上、年間の自動車税も約4倍の差があることが分かりました。毎日の運転コストや維持費を考えると、軽自動車は経済的な選択肢といえます。
ただし、ミニバンには家族の送迎や荷物の積載といったメリットもあります。ライフスタイルや使用目的によっては、燃費や維持費だけで決めるのではなく、自分に合った車を選ぶことが大切です。
出典
経済産業省 自動車関連税制(自動車重量税、自動車税・軽自動車税(環境性能割、種別割))
東京都 自動車税種別割
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
