来年下の子が大学受験です。初年度にかかる費用は、貯金「600万円」あれば足りますよね?

配信日: 2025.07.12 更新日: 2025.09.26
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来年下の子が大学受験です。初年度にかかる費用は、貯金「600万円」あれば足りますよね?
大学受験の控えるお子さんがおり、受験にかかる費用が貯金でまかなえるか不安に感じるご家庭もあるでしょう。大学受験には、入学金や授業料だけでなく、受験費用、交通費、宿泊費などさまざまな費用がかかります。
 
本記事では、大学受験と初年度にかかる費用やそれ以外にかかる費用を解説します。
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大学受験と初年度にかかる費用はいくら?

大学受験をするためには、入学金や授業料のほかに、受験費用もかかります。ここでは、大学受験と初年度にかかる費用を見ていきましょう。
 

大学受験にかかる費用

大学を受験するためには、検定料を支払う必要があります。大学受験には、総合型選抜や学校推薦型選抜などがありますが、ここでは一般入試にかかる費用を見ていきましょう。
 
一般入試は、大学入学共通テストに加え、各大学が独自に行う2次試験を組み合わせて受けるケースが多い傾向にあります。この2つの試験でそれぞれ必要となる費用の目安を、表1にまとめました。
 
表1

検定料
大学入学共通テスト(3教科以上) 1万8000円
大学入学共通テスト(2教科以下) 1万2000円
国公立大学2次試験 1万7000円
私立大学2次試験(大学入学共通テスト利用) 1万5000円~2万円
私立大学一般入試(医歯学部等を除く) 3万円~3万5000円

※筆者作成
 
国公立大学を目指す場合、大学入学共通テスト(3教科以上)と各大学の2次試験を合わせて3万5000円ほどかかることが多いようです。一方、私立大学においては、共通テストを利用せず独自試験のみの場合、3万円~3万5000円かかることが一般的なようです(医歯学部などを除く)。
 
ただし、私立大学の検定料は学部によって異なる可能性があります。ここに記載した金額は目安にして、ご自身が志望する大学・学部の募集要項で正確な費用を確認するようにしましょう。
 

初年度にかかる費用

国立大学、公立大学、私立大学によってかかる費用は異なります。文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和5年度の入学金や授業料は表2の通りです。
 
表2

入学金 授業料 合計
国立大学 28万2000円 53万5800円 81万7800円
公立大学 37万4371円 53万6191円 91万562円
私立大学 24万806円 95万9205円 120万11円

出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を基に筆者作成
 
国立大学の入学金や授業料は国が定めた標準額で、公立・私立大学については全国の平均的な金額を記載しています。なお、公立大学の入学金は、地域外から進学する入学生の平均額です。
 
この初年度費用に表1の検定料(共通テスト3教科以上を想定)を足して総額を試算すると、国立大学で85万2800円、公立大学なら94万5562円が必要です。私立大学では、共通テストを利用した場合は123万8011円ほど、利用しない場合123万5011円ほどかかる計算です。
 
これらの結果から、進学先が国公立か私立かにかかわらず、600万円の貯金があれば、受験から大学1年目までにかかる費用は十分にカバーできると考えられます。ただし、これはあくまで1校分の目安です。複数の大学や学部を併願受験する場合には、その数だけ受験費用が追加で必要になることを考慮しておきましょう。
 

受験費用や入学金など以外にかかる費用

受験費用や初年度にかかる費用以外にも、大学受験のためにかかる費用がある場合があります。それは、遠方の大学を受験するためにかかる交通費や宿泊費などです。
 
自宅から通える大学であれば電車賃のみで済むかもしれませんが、遠方だと新幹線などの交通費や宿泊費がかかります。例えば東京から新大阪の場合、新幹線の往復代(大人1人・通常期・普通車指定席)は2万9440円です。
 
また、大阪府の「令和6年度大阪府宿泊実態に関する調査(速報)」によると、大阪のビジネスホテルの平均宿泊単価は7403円かかるようです。この2つを足すと、3万6843円となる計算です。
 
東京から大阪より遠方の場合は、もっと費用がかかるでしょう。時期によっては宿泊代も高額になることが予想されます。遠方を受験する際は、交通費や宿泊費がかかることも想定しておきましょう。
 
さらに、自宅を離れて一人暮らしを始める場合、初年度の学費とは別に、アパートの敷金・礼金、家財道具の購入、引っ越し代などで、まとまった費用が必要になることがあります。
 

大学受験と初年度にかかる費用は、1校分の場合600万円あれば足りる可能性がある

大学受験から初年度にかけては、入学金や授業料だけでなく、受験費用・交通費・宿泊費など、さまざまな費用がかかります。国公立大学でも約85万円~95万円、私立大学では120万円を超える費用がかかるケースがあります。
 
さらに、併願受験や遠方での受験が重なると、追加の出費も避けられません。貯金が600万円あれば1校分の初年度の費用には対応できると考えられますが、余裕を持って計画を立てるためには、受験スケジュールや志望校の所在地を早めに確認し、必要な出費を具体的に見積もっておくことが大切です。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 令和5年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
大阪府 令和6年度大阪府宿泊実態に関する調査(速報) 平均宿泊単価(2023年)(5ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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