離婚した元妻が「200万円」のへそくりを持っていたことが発覚! 「離婚後」でも「財産分与」はできる?
今回は、離婚後に見つかったへそくりの財産分与や、離婚後に財産分与をした場合の注意点についてご紹介します。
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
目次
離婚後に発覚したへそくりは夫婦の共有財産なら財産分与の対象
離婚後に見つかったへそくりは、お金の出どころによって夫婦の財産か妻の財産かが決まります。へそくりが共有財産と認められれば、財産分与の対象になります。共有財産の場合、離婚から2年以内であれば財産分与の裁判所への再請求が可能です。
婚姻期間中に発生した預貯金などの財産は、基本的に夫婦の共有財産とみなされます。民法第762条2項には、「夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する」と定められています。
また、名義が夫婦のどちらかであっても、共有財産と判断される可能性もあるでしょう。法務省によると、どちらかの名義であっても、夫婦の協力によりできた財産であれば共有財産になるとしているためです。
例えば法務省の示している例では、夫が会社員で、妻は家で専業主婦として家事に専念している夫婦の場合、家の購入は夫の収入により購入したものです。しかし、妻が家事をして夫を支えていれば、実質的には夫婦の財産であると考えられる、としています。
これらを踏まえると、へそくりは夫婦の共有財産と判断される可能性が高いと考えられます。
妻の財産を元手にしていれば妻の財産になる可能性もある
一方で、妻が結婚前の収入を元手にへそくりをためていた場合は、妻の特有財産と判断される可能性があります。民法第762条1項では、「夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。」と示されているためです。
特有財産か共有財産か判断できない、あるいは妻と話し合ってもまとまらない場合は、弁護士などの専門家に頼ることも選択肢の1つです。
状況によっては離婚後でも贈与税が課される可能性がある
離婚による財産分与には、基本的に贈与税は課税されません。夫婦の離婚による金銭関係の清算、また離婚後も生活に支障が出ないように共有財産の給付を受けたと判断されるためです。
しかし、一定条件に該当していると、離婚後の財産分与が「贈与を行った」と判断され、課税される場合があります。国税庁によると、贈与税が課される場合は以下の通りです。
●「分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合」
●「離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合」
1つ目の理由のときは過剰分に対して、2つ目の理由のときは財産分与で受け取ったすべての財産に対して課税されます。
共有財産かつ離婚から2年以内なら財産分与できる可能性がある
共有財産の裁判所への財産分与請求は離婚から2年以内なら可能です。そのため、へそくりが発覚したタイミングが離婚からすぐなら、財産分与ができる可能性があります。ただし、そのへそくりが妻の特有財産とみなされると、対象にはなりません。
特有財産か共有財産か判断できない、あるいは妻と話し合ってもまとまらない場合は、弁護士などの専門家に頼ることも選択肢の1つです。
出典
e-Gov 法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)
法務省 財産分与
国税庁 No.4414 離婚して財産をもらったとき
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
