「賃貸マンション」の「備え付けエアコン」が故障！ 3万円ほどかかりそうですが「修理費用」は大家さんに負担してもらえるの？
すぐにでも修理したいと思う一方、賃貸マンションの備え付けエアコンの場合、「費用は誰が払うのか？ 」「自分で業者を呼んでよいのか？ 」と疑問が生じることもあるでしょう。
そこで本記事では、賃貸物件に備え付けられているエアコンが故障した場合の費用負担の原則と、連絡前に確認したいポイントを解説します。
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目次
原則として大家さんの負担｜ただし例外も
賃貸物件に最初から設置されていたエアコンが経年劣化などにより故障した場合、民法606条1項によると、修理費用は原則として大家さんの負担となるとされています。
大家さんは家賃を受け取る対価として、借主が問題なく部屋を使用できる状態を保つ責任があると定められているのです。エアコンのような生活必需品とされる付帯設備についても、自然な故障であれば貸主の修繕義務に含まれると考えられます。
ただし、故意や過失による破損が原因であれば例外です。例えば、誤った使い方や不注意による破損の場合、借主側に原状回復の責任が生じ、修理費用は自己負担になる可能性があります。
故障と判断する前に確認しておきたい4つのポイント
エアコンが正しく動作しなくなっても、すぐに故障と判断せずに、以下の点を確認することでトラブルを未然に防げる場合があるでしょう。
・リモコンの電池切れ
・ブレーカーが落ちていないか
・フィルターの汚れ
・室外機周辺の障害物
エアコンが動作しない場合、リモコンの電池が切れている可能性があります。リモコンの表示が消えている、または薄くなっている際は、まずは電池を交換してみましょう。
また全く動作しない場合には、ブレーカーが「切」になっていないかも確認するとよいでしょう。
フィルターがホコリで詰まっている場合、冷暖房の利きが悪くなる場合があります。定期的な清掃が望ましく、これは借主の注意義務の一部と考えられているようです。
室外機の周辺環境もポイントです。室外機の前に荷物や植木鉢などが置かれていると、空気の流れを妨げてしまい、正常に作動しないことがあるとされています。
管理会社・大家さんへ連絡する際の準備と注意点
上記を確認しても改善しない場合は、勝手に修理や交換を手配せず、管理会社または大家さんに連絡しましょう。その際は、以下の情報をまとめておくとスムーズです。
・具体的な症状（例：冷暖房の利きが悪い、異臭がする、運転中の異音がするなど）
・症状が出始めた時期
自己判断で修理業者を手配することは避けましょう。勝手に修理を進めると費用が自己負担となる場合があります。事前に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。
エアコンの修理費用は原則大家さん負担｜まずは冷静に状況確認を
賃貸マンションの備え付けエアコンが故障した場合、経年劣化など借主に過失がないケースでは、原則として修理費用は大家さんの負担となります。ただし、自身の不注意による破損や、勝手に業者を呼んだ場合は、状況によって自己負担になる可能性があります。
慌てて連絡する前に、電池やフィルター、ブレーカーなど簡単な原因がないか確認しましょう。そのうえで、情報を整理して大家さんなどに報告・相談することが、円滑な対応と不要なトラブルの回避につながります。
出典
e-Gov 法令検索 民法（明治二十九年法律第八十九号）
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
