私立高校生を抱える「年収600万円」世帯ですが、基準額の「11万8800円」は受け取りました。来年から私立高校も“無償化”するそうですが、我が家も対象になりますか?

配信日: 2025.07.13 更新日: 2025.09.26
この記事は約 3 分で読めます。
私立高校生を抱える「年収600万円」世帯ですが、基準額の「11万8800円」は受け取りました。来年から私立高校も“無償化”するそうですが、我が家も対象になりますか?
子育てにおいて、教育費は大きな出費の一つです。特に私立の学校に進学する場合は、公立の学校に比べると学費が高くなる傾向にあります。
 
しかし、2020年4月から始まった私立高校授業料実質無償化制度によって、学費の負担が多少軽減されるようになりました。本記事では、これからの私立学校進学に関わる支援や、授業料などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

私立高校の「授業料実質無償化」は令和8年度より所得制限の撤廃を予定

はじめに「授業料実質無償化」の内容を含む「高等学校等就学支援金制度」について確認しておきましょう。
 
現行の高等学校等就学支援金制度では、世帯年収が910万円未満の家庭の高校生が対象でした。公立高校は基準額である年間11万8800円、私立高校は年間39万6000円の上限支給額が設定されており、この範囲で学費の支援を受けることができます。
 
2026年以降は、私立高校における加算額が45万7000円まで引き上げられることが予定されており、さらなる支援を受けられるでしょう。所得制限撤廃も予定されているため、高校生の子どもを抱える全ての世帯において、支援制度を利用できるようになると考えられます。
 
それまでの臨時策として、2025年から世帯年収が910万円以上の家庭の高校生も対象となる「高校生等臨時支援金制度」が新たにスタートしました。新制度では、私立公立共に、年間上限11万8800円までの支援金を受け取ることが可能です。
 

そもそも「私立高校」に行くといくらくらいの「教育費」が必要?

子どもを私立高校に行かせる場合、公立高校よりも高額な学費が必要になります。表1は、全日制の高等学校における学習費の総額です。
 
表1

種類 私立高校 公立高校
1年あたり 103万283円 59万7752円
総額(1年あたりの金額×3) 309万849円 179万3256円

出典:文部科学省「結果の概要令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します」を基に筆者作成
 
私立高校の学費は、公立高校の約1.7倍です。私立高校の場合はこれらのうち学校教育費が7割以上を占め、金額は公立高校の2倍以上となっています。その一方で、学外活動費は公立高校と比べても2万円程度の違いしかありません。
 
私立高校の学校教育費をさらに細分化すると、最も大きい割合を占めているのは30.4パーセントの授業料であり、金額は1年あたり23万3102円です。こちらは前述の高等学校等就学支援金を利用することで、負担額をゼロに近づけることも可能でしょう。
 

授業料が無償になっても「年間80万円程度」の教育費が必要な可能性

高等学校等就学支援金を利用したとしても、子どもを私立学校に通わせるためにはまとまった金額が必要であることに変わりはありません。一年あたりの必要な金額を計算してみましょう。
 
必要金額=103万283円(学習費総額)-23万3102円(無償化の対象である授業料)=79万7181円
 
このように、単純計算でも80万円程度の金額が必要です。また、現在は授業においてもタブレット端末が必須であるといっても過言ではありません。公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのアンケート調査によると、私立高校におけるパソコン・タブレット代の平均額は8万6727円となっています。
 
学費の他にも、さまざまな学習に関わる出費が必須になると考えた方がいいでしょう。
 

まとめ

「高等学校等就学支援金制度」や「高校生等臨時支援金制度」により、私立高校における授業料の支援制度が整備されています。年収600万円の世帯であれば、授業料の負担をゼロにすることも可能です。
 
しかし授業料以外の学費負担も高額であることに変わりはなく、子どもを私立高校に通わせるためには、一年あたり80万円以上の金額が必要になります。
 

出典

文部科学省 令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します(10ページ)
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・国内事業部 セーブ・ザ・チルドレン 子ども給付金~新入学サポート2024~利用者アンケート調査結果(8ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問