新幹線は「グリーン車」を利用するという友人。自分は「座れればいい」と“普通車の指定席”を利用しているのですが、高いだけのメリットはあるのでしょうか? 料金差もあわせて比較
本記事では、新幹線の座席の種類や料金の違い、そしてグリーン車ならではの特徴やメリットについて解説していきます。
ファイナンシャルプランナー2級
新幹線の座席にはどんな種類がある?
新幹線には、大きく分けて3つの座席の種類があります。1つは座席の予約が不要な「自由席」です。予約不要なので、時間に縛られずに乗ることができますが、席は先着順で混雑時には座れずに立つこともあります。これに対して、あらかじめ座席を指定でき、確実に座れるのが2つ目の「指定席」です。
ただし、指定された列車に乗れないと、席の予約は基本的に無効になってしまうというデメリットがあります。3つ目の「グリーン車」は、指定席と同様に予約が必要な座席ですが、通常の指定席よりも快適性を重視した上級クラスの座席です。
なお、東北・北海道・北陸新幹線の一部には「グランクラス」という最上級車両もあります。
料金の差はどのくらい? 具体例で比較
普通車指定席とグリーン車では、どれくらい料金に差があるのでしょうか。
仮に東海道新幹線で「のぞみ」を使って東京~新大阪を移動する場合、それぞれ乗車券は同額の8910円ですが、普通車指定席(通常期)では特急券を含めて料金の合計が1万4520円、グリーン車(通常期)では特急券とグリーン券が必要で、合計は1万9390円となっています。つまり指定席とグリーン車の料金の差額は4870円となります。
この差を、「5000円以下で快適に過ごせるなら」と考えるか、「座るだけなのに高すぎる」と考えるかは、人によって意見が分かれるところでしょう。なお、グリーン車の「グリーン券」は距離によって料金が決まるため、乗車区間が短くなれば価格差も小さくなります。
グリーン車のメリットは? 普通車と何が違う?
普通席とグリーン車は、車両にどのような違いがあるのでしょうか。大きな違いは座席の数と種類です。普通車ではAからEまで横に5列並んでいますが、グリーン車では、AからDまでの4列になっています。座席数が少ない分、座席もゆったりと大きめにとられており、足元のスペースも広くなっています。
また、時期にもよりますが、自由席や指定席と比べて利用者が少ないことが多いので、比較的静かな雰囲気が保たれやすいのも特徴です。さらに車両によっては、毛布・スリッパの提供や座席へのドリンクサービスがあり、電源コンセントが全席に備わっている車両も多くあります。
グリーン車は、普通車と比べて料金は高額ではありますが、「快適さ」という点ではグリーン車に軍配があがります。そのため、自分へのご褒美として旅行の特別感を味わいたい人や、長距離移動で少しでも快適に過ごしたい人、出張で移動中に仕事をしたいビジネスパーソンなどにとって、グリーン車の利用は価値があるといえるでしょう。
「快適さにお金を払うかどうか」は、価値観次第
グリーン車は、普通車と比べて料金が高くなりますが、座席の広さやサービスの質などに違いがあります。「移動時間も含めて、快適なひとときを過ごしたい」と思うなら、グリーン車はそれに見合ったメリットが得られる座席といえるでしょう。
値段の差だけでなく、利用する目的や重視するポイントに応じて、どちらの座席を選ぶか判断することが大切です。
出典
東海旅客鉄道株式会社(JR東海) 鉄道のご利用(時刻・運賃料金・運行情報など)に関するお問い合わせ
東海旅客鉄道株式会社(JR東海) きっぷのルール グリーン券(特急・急行のグリーン料金)
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級
