近所に「おいしい桃が6個500円」と売って回るトラックが! スーパーだと「1個300円」ほどなのに、どうしてこんなに安いの? 購入前にチェックすべきポイントとは
そんな中、毎年のように駅の近くなどで「おいしい桃6個500円!」と書かれた小型トラックが売り回っている姿を見かけると、「安いのはありがたいけど、なんとなく怪しい……」と思うこともあるでしょう。
本記事では、この激安トラック販売の裏側と、注意すべきポイントを解説します。
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スーパー桃の通常価格とトラック販売の落差
まず、販売されている桃の相場をそれぞれ確認してみましょう。
【スーパー相場】
7月ごろから出始める早生(わせ)品種:1個250~300円
ブランド品:1個400~600円
【トラック販売】
6個500円=1個約83円(相場の約3分の1以下)
桃に限らずスーパーに並ぶ果物全般に言えることですが、店頭に並ぶまでに「農家→農協(JA)→仲卸業者→スーパーなどの小売業者」といったように複数の業者を挟むことで中間マージンが発生します。
農家の人が直接販売しているのであれば6個500円というのも納得できますが、ガソリン代や高速代など現地までの輸送コストを考慮するとこんなに安くて大丈夫なのか、と怪しんでしまうのも無理はないかもしれません。
なぜ“トラック”は怪しいのか?
「私は桃農家です(中間業者を通していない)」
「農家から規格外の桃を安く買っているからスーパーよりも安い」
上記のように説明されたとしても、車のナンバープレートと産地の箱に整合性がない、桃が入っている段ボールに記載が特にない、産地を聞いても回答が曖昧だと特に怪しく感じてしまいますよね。
仮に農家の人が直販しているとしても、規格外品の“訳あり品”と称してちょっと傷が入っている物や小粒の桃を売っている場合、その程度や味が不明確なまま購入させられるリスクがあります。
そのためか、試食を行ったうえで販売しているケースも散見されます。また、路上や駅の構内などで販売する場合、業者は道路使用許可証などがないと無許可販売となり違法性という観点でも疑問が生じてしまいます。
このように複数の要素が組み合わさることで、トラックでの桃の販売に怪しさを感じてしまうのです。
盗品や品質劣化のリスク
近年では、桃に限らず果物の盗難ニュースが後を絶ちません。盗まれた桃に生産者の名前でも入っていればすぐに分かりますが、そのようなことがされている桃は存在しないので、盗品が流通する可能性だって大いにあります。
また、盗んだ人間が桃の管理知識があるかというと、そういうことも少ないでしょうから、保管・輸送環境の悪さから見た目以上に品質が低下している可能性だってあります。
購入前に必ず確認すべきチェックポイント
トラックで桃を売っている状況を見つけたら、以下の点を確認することで盗品かどうかの判断の助けになるでしょう。
・トラックの看板や箱に都道府県や農協名が明記されているか
農家直販であるなら、生産者の名前や連絡先の提示がされている場合があります。名刺を持っているか確認しても良いでしょう。
・許可証が掲示されているか
路上での販売なら、道路使用許可証があるかが明確なポイントになります。駅構内など私有地で売っている場合は、その場所の管理者などの許可証があるかというのも判断基準になります。
・農家の人の場合は会話をして判断
例えば、桃の産地である人が販売しているのであれば、その地域や桃についての知識があるかどうかも判断基準となるでしょう。また、車がその地域のナンバープレートかどうかも確認するのもいいかもしれません。
購入後にすべきことは
もろもろチェックして、安心できると判断できてから桃を買いましょう。採れたての桃だ、と言われたとしても桃は傷みやすい果物ですから、2日以内に食べ切った方が安心です。
長期間保存する場合は、アルミホイルで包んで冷蔵保存すると傷みにくいとされています。
まとめ
「6個500円」の桃トラックは確かに魅力的ですが、産地証明や許可証、鮮度表示などの情報が不明瞭ならば要注意です。値段だけに飛びつかず、しっかり確認してから購入する必要があります。安心できる事業者かどうかを見極めて、夏の味覚を安全に楽しみましょう。
執筆者 : 宇野源一
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