高齢の親から「マイナカードを持ち歩きたくない」と連絡が。保険証と「紐づけ済み」ですが、今から登録解除はできますか? もう“従来の健康保険証”は交付されないのでしょうか?

配信日: 2025.07.17 更新日: 2025.09.26
この記事は約 3 分で読めます。
高齢の親から「マイナカードを持ち歩きたくない」と連絡が。保険証と「紐づけ済み」ですが、今から登録解除はできますか? もう“従来の健康保険証”は交付されないのでしょうか?
2024年12月2日から従来の健康保険証は新規発行が停止され、マイナンバーカードに紐づけた「マイナ保険証」の利用が本格的に始まっています。
 
手元にある保険証も当面は使用できる経過措置が取られていますが、75歳未満の被保険者は最長でも2025年12月1日まで。後期高齢者医療制度の被保険者でも、従来の保険証が使えるのは2025年7月31日までです。
 
このようにマイナ保険証への移行が進んでいる一方で、個人情報漏えいなどの懸念からマイナンバーカードへ拒否感を持つ人は多く、「保険証を紐づけたが、元に戻したい」という声も少なくありません。
 
本記事では、保険証をマイナンバーカードに紐づけたあとでも解除できるのか、保険証の代わりとなる「資格確認書」は届くのか、制度の仕組みと注意点を分かりやすく解説します。
長谷川節子

FP2級

マイナンバーカードに紐づけた保険証は解除できるのか

結論として、すでにマイナンバーカードに保険証を紐づけた場合でも、あとから解除できます。
 
国民健康保険、協会けんぽ、組合健保など自身が加入している保険者へ申請すれば解除可能ですが、後期高齢者医療制度の被保険者は、居住している各自治体の窓口へ申請することで解除できます。
 
なお、紐づけを解除しても、従来の紙やカードタイプの「健康保険証」が戻るわけではありません。健康保険証の新規発行は停止されており、代わりに「資格確認書」が交付される仕組みです。
 

保険証の代わりとなる「資格確認書」とは

資格確認書は、健康保険の加入を証明するための書類で、氏名、生年月日、保険者番号、被保険者証記号・番号などが記載されています。 これを医療機関で提示すれば、マイナンバーカードを持ち歩かなくても保険診療を受けることができます。
 
マイナンバーカードに保険証を紐づけていない人や、そもそもマイナンバーカードを持っていない人には、健康保険証の有効期限内に保険者から順次、資格確認書が交付されます。申請は不要です。
 
また、今回のように、すでにマイナンバーカードに保険証を紐づけた人が、あとから登録を解除した場合も、同様に資格確認書が交付されます。交付までの期間は、自治体や加入する保険者によって異なりますが、一般的に1~2ヶ月程度かかるようです。受診の予定を踏まえ、余裕を持って手続きを行うことをおすすめします。
 
資格確認書の有効期限は保険者により異なり、最大で5年間です。期限切れ前には更新の手続きが必要になりますので、期限の管理にも注意しましょう。
 

後期高齢者は必ず「資格確認書」が届く

7後期高齢者医療制度の被保険者は、2026年7月31日までの暫定運用として、マイナンバーカードに保険証を紐づけているかどうかにかかわらず、資格確認書が必ず交付されます。
 
高齢者全体のマイナ保険証の利用率は上昇傾向にあるものの、後期高齢者に限って見ると依然として利用率が相対的に低い状況です。加えて、後期高齢者に交付されている現行の保険証は、2025年7月末で一斉に有効期限を迎えます。そのため、資格確認書の交付を求める人が市区町村の窓口に集中することが懸念されています。
 
こうした背景を踏まえ、後期高齢者には本人の申請を待たずに資格確認書が自動的に交付されることになったのです。特に高齢者は、認知・身体機能の低下により、マイナンバーカードの管理が難しい場合も少なくありません。
 

資格確認書が届く前に医療機関を受診する場合の対応

保険証の紐づけを解除したあと、資格確認書が手元に届くまでの間に医療機関を利用し、医療費が全額自己負担となった場合でも、後日、加入している保険者に「療養費支給申請」を行うことで、法定自己負担分を除いた金額が払い戻されます。
 
申請には「医療機関の領収書(原本)」や「診療報酬明細書」が必要になりますので、忘れずに保管してください。 申請期限は、原則として療養費を支払った日の翌日から2年間です。申請先により、必要書類や手続きの詳細が異なるため、事前の確認をおすすめします。
 

まとめ

マイナンバーカードと健康保険証の紐づけは解除することが可能です。解除後は「資格確認書」が交付され、マイナンバーカードなしでも保険診療を受けることが可能です。
 
後期高齢者の人は、紐づけの有無にかかわらず資格確認書が必ず交付されるため、マイナンバーカードを持ち歩くことに不安を感じる人も、安心して医療サービスを受けることができます。
 
資格確認書を受け取った後は、保管場所や管理方法を家族で確認し、必要なときにスムーズに利用できるよう備えておくことが大切です。
 

出典

厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
厚生労働省 資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)
 
執筆者 : 長谷川節子
FP2級

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問