令和7年度より多子世帯の「大学授業料」が無償に!「年収800万円」の我が家も対象でしょうか?
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2025年度より所得制限なく「多子世帯の大学授業料」が無償に
2020年に創設された「高等教育の修学支援新制度」には、給付奨学金以外に授業料などの減免制度が含まれています。大学、短期大学、高等専門学校、専門学校に通う学生が対象です。この制度が「こども未来戦略」に基づき2025年度より拡充されることが決定し、授業料などの減免が追加されました。
文部科学省が発表している「令和7年度からの奨学金制度の改正(多子世帯の大学等の授業料等無償化)に係るFAQ」によると、多子世帯では、要件を満たした学校に通学していることを条件に、所得制限なく利用できます。
この制度における多子世帯の定義については、後ほど詳しく解説しますが「年収800万円」の世帯であっても要件に該当すれば支援の対象になるでしょう。
また、この制度では国が指定する一定金額まで学校の入学金や授業料が無償となります。在学生はもちろん、これから入学する入学生も対象となるため、成績だけでなく将来の目標や学ぶ姿勢などの「学修意欲」も重要視されます。
私立大学における1年間の減免上限額は、入学金が「26万円」、授業料が「70万円」です。ただし、支援の対象はあくまでも授業料などの減額であるため、現金支給ではない点に注意しましょう。
多子世帯の要件(支援対象者)とは?
「高等教育の修学支援新制度」における多子世帯とは、同時に子どもを3人以上扶養している世帯を指します。また、利用する対象者は、扶養されていることが条件です。
この制度での扶養とは、経済的な支援を家族や親族から受けていて、納税時に扶養人数として数えられているものとされています。大学などに通学している子どもについては、3人以上扶養している場合、その全員が制度の支援対象です。
ただし、対象者が扶養から外れ、この制度における多子世帯の条件を満たさなくなった場合には、支援は終了するため注意しましょう。
なお、多子世帯であるかの判断は、日本学生支援機構が法令に基づき、マイナンバーを用いて扶養状況を確認するとされています。
学業要件の適正化には注意が必要
本制度には「学修意欲」のほかに「学業要件」が設定されており、支援を受ける際はこの学業要件を満たさなければなりません。制度の拡充に伴い、2024年度以前から設定されていた条件に関しては、一部厳しくなっているため注意が必要です。
例えば、授業の出席率が8割以下になったり、所属する学部での成績が下位の4分の1になったりすると「警告」を受けることになります。さらに出席率が6割以下になる、修業年限以内での卒業ができない、といった状況に陥った場合は、支援が打ち切りとなるように定められています。
そのため、在学中の子どもがいるときは、これらのペナルティに該当しないよう、それぞれの学業要件を確認したほうがいいでしょう。
まとめ
2025年度に修学支援制度が拡充されることで、多子世帯に限り大学などの授業料減免を受けられるようになりました。所得制限はなく、子どもを3人以上扶養していれば支援の対象になります。
該当する場合は、各学校の窓口で申請し制度を利用しましょう。ただし、適用の際には子どもの学修意欲や学業要件のチェックがあるほか、ペナルティも設けられているため注意が必要です。
出典
文部科学省 令和7年度からの奨学金制度の改正(多子世帯の大学等の授業料等無償化)に係るFAQ
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
