60代の母から「LINEとインスタができればいい」とスマホ購入の相談が。私は“iPhone”ですが、あまりスマホを使わないなら「Android」でも問題ない? それぞれの特徴を比較
「最低限の機能だけでいい」と言われた場合、自分が使っているiPhoneをすすめるべきか、それとも価格の安いAndroidを選んでも問題ないのか、迷う場面もあるかもしれません。
本記事では、シニア世代でも安心・快適にスマホを使ってもらうために押さえておきたいポイントや、費用・使い勝手の面からの端末選びについて解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
“LINEとインスタだけ”でも押さえたいスマホの寿命
最低限の機能しか使わない場合でも、気にしたいのはスマートフォンの「寿命」です。ここでいう寿命とは、単に電源が入るかといったハード面の物だけではありません。アプリが正常に動作するかどうかを左右する、ソフトウェア(OS)の寿命も気にしましょう。
というのも、近年のスマホは、発売後も数年間にわたりソフトウェアのアップデートが継続されます。このアップデートが行われないと、アプリが起動しなかったり、セキュリティ上の問題が放置されたままになってしまったりすることもあります。
したがって、「最新のソフトウェアにアップデートできない=寿命切れ」と考えることもできるのです。
iPhoneは、最新ソフトウェアが使える期間が長いことで知られています。機種によって異なるものの、発売から6~7年ほどサポートされることが一般的です。一方、Androidの中でも特に価格を抑えたエントリーモデルでは、発売から2~3年ほどでアップデートが終了するケースがあります。
そのため、「あまり使わないから安い機種でいい」と思っていても、OSサポートの終了が早ければ、数年以内に買い替えを迫られる可能性があることは理解しておきたいポイントです。
iPhoneとエントリーモデルAndroidのコストを比較
続いて、端末をソフトウェアのアップデートが終わるまで使い続ける前提で、コストを比較してみましょう。今回取り上げる3機種の本体価格は以下の通りです。
●iPhone16e:9万9800円(Apple Store)
●iPhone SE(第3世代)(au認定中古品):3万6000円(auオンラインショップ)
●AQUOS wish4:3万3360円(シャープ公式オンラインストア)
iPhone16eは、発売から約6~7年は最新のソフトウェアへのアップデートが可能になると考えられています。一方、AQUOS wish4のソフトウェアアップデートは2回(1年に1回)なので、最新のソフトウェアを使えるのは発売から約3年間です。つまり1年あたりのコストは以下のようになります。
●iPhone16e:約1万6633円/年(9万9800円÷6年)
●AQUOS wish4:約1万1120円/年(3万3360円÷3年)
また、発売から3年以上たったiPhone SE(第3世代)を買った場合、購入後3年は最新ソフトウェアへのアップデートができると考えられます。この場合の1年あたりのコストは約1万2000円です。
このように、iPhoneは全てが高いように思われがちですが、長く使えることから中古品という選択肢も出てくることは知っておいてよいでしょう。
教えやすさや性能でiPhoneとAndroidを比較
では、実際に親が持ったときの「使いやすさ」はどうでしょうか。
iPhoneはAppleからしか発売されておらず、最新のソフトウェアにアップデートされていれば、どの時期に発売されたiPhoneでもほぼ同じように使えることが特徴です。
家族や周りの友人がiPhoneユーザーであれば、困りごとを解決しやすいというメリットがあります。 加えて、iPhoneは機種変更しても操作感がほぼ変わらないため、データを移すだけでスムーズに使い続けられるのも魅力です。
さらに、どのiPhoneにも高性能なCPUが搭載されており、処理速度に優れています。
一方、Androidは多くのメーカーが製造しているため、Google、Samsung(サムスン)、SHARP(シャープ)などメーカーによって操作方法に違いがある点に注意が必要です。
このため、周りにAndroidユーザーがいても困りごとを解決できないケースや、別メーカーに機種変更する際に使い方を一から覚え直す必要が出てくる可能性があります。
また、AQUOS wish4のようなエントリーモデルでは、搭載されているCPUの性能が控えめで、アプリの起動や動作にややもたつきを感じることもあるかもしれません。
とはいえ、価格が安いことや「かんたんモード」などのシニア向け機能が用意されている点は魅力です。 家族がサポートしながら使い方を一緒に覚えていけば、エントリーモデルでも快適に、問題なく使える可能性は十分にあるでしょう。
教えやすさを重視するならiPhone、安さを重視するならAndroid
iPhoneは高性能で家族がサポートしやすく、長期にわたるアップデートも安心材料です。一方、AQUOS wish4のようなAndroidのエントリーモデルは初期費用が抑えられます。
また、中古iPhoneという選択肢を加えれば、費用を抑えつつ快適さとサポートしやすさを両立することも可能です。親の使い方や予算をふまえ、どこに重点を置くかを家族で話し合って決めていくのがよいでしょう。
出典
Apple iPhone 16e
シャープ AQUOS wish4
Apple iPhone SE(第3世代)
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
