子どもがサッカー中に“熱中症”で救急搬送され「2万円」の請求が…。救急搬送ってこんなに高いのでしょうか?
この記事では、なぜ2万円もの費用がかかったのか、救急搬送の費用の仕組みとともに、家庭でできる予防や備えについて解説します。
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目次
救急車は無料? 本当は“搬送後”に費用がかかる
経済省消防庁によると、2025年7月7日~7月13日間に熱中症で救急搬送された人は8546人でした。近年の猛暑により、熱中症で救急搬送されるケースが増えています。
そして、日本では「救急車の利用は無料」と思っている方も多いですが、実際に119番で救急車を呼ぶこと自体には一切費用はかかりません。これは救急車の運用が自治体の税金でまかなわれているためです。
ただし、救急車で搬送された先の病院では、通常どおり医療費が発生します。つまり、救急車の利用は無料ですが、診察や治療には健康保険などに基づく自己負担分の支払いが必要です。
また、夜間や休日に受診した場合には、「時間外加算」や「深夜加算」など、通常の診療費に追加の費用がかかることがあります。
請求額「2万円」は高い? 実際にかかる費用の内訳とは
熱中症で救急搬送された場合、「どこにお金がかかっているのか? 」を理解しておくことは重要です。たとえば、2万円の請求の内訳には以下のような項目が考えられます。
●初診料・診察料
約3000円
●点滴・処置費用
約2000〜4000円(薬剤や処置内容による)
●検査費(血液検査・尿検査など)
約3000〜5000円(検査項目数により変動)
●時間外加算(夜間・休日など)
数千円の加算がつく場合がある
●特定療養費
通常は緊急搬送で請求されませんが、緊急性が低いと判断された場合に自己負担が増える場合もあります。
たとえば、日曜の夕方に救急外来で点滴と血液検査を受けたケースでは、これらの費用の合計が2万円前後になることは珍しくありません。
熱中症で救急搬送された場合の医療費シミュレーション
救急搬送された際にかかる医療費は状態や受診時間によって幅が大きく異なります。具体的な例を見てみましょう。
【ケースA 軽症(点滴+検査のみ)】
初診料や点滴、血液検査で約6000円。夜間・休日の時間外加算が約3000円加わり、合計約9000円となることがあります。
【ケースB 中等度(処置+観察入院1泊)】
軽症の費用に加え、1泊の入院料や追加検査費用が約25,000円加わり、合計で約3万4000円となる例が一般的です。入院費用は病院の種類や病棟により変動します。
【ケースC 重症(3日入院+集中管理)】
集中治療が必要な場合は、3日間の入院で自己負担額が8万〜10万円を超えることもあります。ただし、高額療養費制度により負担が軽減されるケースもあります。
救急搬送を受けた直後は費用がはっきりせず不安になることが多いですが、必ずしも救急搬送=高額医療費とは限らないことも知っておくとよいでしょう。
費用に驚かないために、できる対策とは
子どもの急な体調不良は避けられませんが、費用に関する不安を減らす方法はあります。
●医療費の仕組みを知ること
救急車は無料でも治療は有料であると理解しておく。
●健康保険と高額療養費制度の活用
医療費が一定額を超えると自己負担が軽減される制度があります。
●民間保険の見直し
救急搬送や入院に備えた保険が役立つこともあります。
●熱中症対策を徹底
こまめな水分補給・帽子着用・休憩など、日ごろの予防がいちばんの防御策です。
いざという時にあわてないためにも、まずは「知っておくこと」が一番の備えです。そして何よりも、日常的な予防と声かけが、子どもを守る最前線となります。
出典
経済省消防庁 熱中症情報
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
