ドライバー不足で今後は「置き配」がデフォルトに!?「盗難される」「手渡しだと追加料金?」人手不足と置き配の“課題”とは

配信日: 2025.07.25 更新日: 2025.09.26
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ドライバー不足で今後は「置き配」がデフォルトに!?「盗難される」「手渡しだと追加料金?」人手不足と置き配の“課題”とは
宅配便といえば長い間「手渡し」が主流でしたが、手渡しによる宅配には物流業界が直面する人手不足や再配達といった点に課題があります。そのような中、国土交通省は「標準運送約款」の見直しを通じて、置き配を受け取り方法の1つとして検討する方針を示しました。
 
とはいえ、現在も置き配を利用する人がいる一方で、「置き配は盗難されるのでは」「置き配が当たり前になって、手渡しに追加料金がかかるのでは」など、気になる人もいるでしょう。
 
本記事では、置き配の社会的な状況や気になる疑問点について解説します。
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置き配はなぜ求められている?

置き配の制度整備の背景には、「2024年問題」と呼ばれる物流業界の構造的な課題があります。
 
2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限が設定されたことで、各社でドライバーの稼働時間が制限されました。そのような中、宅配便を届けても不在であれば再配達が必要となり、業務効率を低下させ、人手不足をさらに加速させてしまいます。
 
宅配便の再配達率はここ数年で徐々に減少していますが、2025年4月時点でも約8.4%です。10件に1件弱が再配達となっており、ドライバーの負担軽減やCO2削減の観点からも無視できない水準です。
 

置き配のメリット

このような課題への対策として置き配の活用が議論されていますが、置き配にはさまざまなメリットがあります。
 
宅配業者からすると、先述したような再配達が不要となるため、ドライバーの労働時間短縮や物流の効率化が期待できるでしょう。
 
また、利用者としても不在時でも受け取れる点はメリットです。置き配の場合、日中働いている人や外出が多い人でも、荷物をスムーズに受け取れます。受け取りのために予定を合わせたり、在宅時間を調整したりする必要もありません。
 
人との接触を最小限に抑えられるため、感染症対策にもなるでしょう。
 

置き配には課題もある

置き配にはメリットが多くありますが、課題も少なくありません。
 
例えばSNS上では、置き配を利用して「盗難に遭った」といった声や、「オートロックマンションでは配達員がほかの住民に追従して入るのでセキュリティが心配」といった声があります。
 
また高齢や障がいなどの事情により、置き配よりも対面受け取りのほうが安心できる、配達を見逃さなくて良いという人もいるでしょう。
 
なお、置き配が原則になった場合、手渡しの場合には追加料金がかかるのかと心配になる人もいるかもしれませんが、現時点ではそのような制度の導入は正式には発表されていません。
 

置き配は仕組み作りが重要

置き配には、自宅にいなくても受け取れる、配達時間を気にしなくてよい、再配達を防げるといったメリットがあり、忙しい共働き世帯などにとって魅力的な仕組みです。
 
実際にAmazonでは2020年から一部の地域において置き配が初期設定となっており、利用者が変更しない限り自動的に置き配が選ばれます。
 
一方で、誰にとっても同じように便利とは限りません。だからこそ国や事業者には、宅配ボックスの普及支援や、盗難補償制度の充実など、安全面・公平性の担保が求められます。
 
また、高齢者世帯などには、今後も対面受け取りが可能な体制の維持が必要でしょう。
 

まとめ

宅配便の「置き配」が話題になった背景には、ドライバー不足や再配達削減といった社会的な課題があります。ただし、政府が掲げているのは「置き配の義務化」や「原則化」ではなく、あくまで多様な受け取り方法を制度上整備するという方向性です。
 
利用者としても再配達削減のためにできることをしつつ、安心して置き配が利用できる環境の整備に注目してみましょう。
 

出典

国土交通省 令和7年4月の宅配便の再配達率は約8.4%
国土交通省 中野大臣会見要旨
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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