現在の暮らし向きについて「ゆとりがなくなってきた」人が6割超…物価高の今、私たちにできる対策とは?
日本銀行の調査によると、物価の上昇や賃金の伸び悩みなどにより、多くの家庭が日々のやりくりに苦しんでいる実態が明らかになっています。こうした状況の中、私たちはどのように家計を守ればよいのでしょうか?
この記事では、そのためのヒントをご紹介します。
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「暮らしにゆとりがない」人が61%も
日本銀行が2025年7月に公表した「生活意識に関するアンケート調査」では、全国の満20歳以上の個人を対象に、経済状況や家計への実感について詳しく調査が行われました。
その結果、現在の暮らし向きについて、「ゆとりがなくなってきた」と感じている人が全体の61.0%と、6割を超える高い割合に達しています。これは前年12月(57.1%)からさらに増加しており、物価上昇や賃金の伸び悩みなどが家計の負担を強くしていることが分かります。
また、物価高騰の実感も極めて強く、「1年前より物価がかなり上がった」と答えた人は全体の75.3%、「少し上がった」とする人も含めると96%を超える人々が日々の暮らしの中で値上げを感じている状況です。
今後についても「5年後の物価はもっと上がる」と予想する人が8割を超えており、家計を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。
実際の家計はどう変わった? 賃金・支出・暮らし向きのリアル
このような物価高の中で、家計や生活の変化も鮮明になっています。同調査によれば、「1年前と比べて収入が減った」と感じている人は全体の30.6%と、増えた(14.9%)を大きく上回っています。
さらに、「暮らし向きにゆとりが出てきた」と考える人はわずか3.8%にとどまりました。物価の上昇が収入増加を追い越す形となり、多くの家庭で自由に使えるお金が減っているのが現実です。
こうした状況では、「支出を見直す」「商品を選ぶ際に安さを重視する」といった傾向も顕著に表れており、日常生活のあらゆる場面で節約志向が強まっています。
インフレ時代の家計防衛術
現在のように物価が上がり続ける局面では、現金をただ手元に置いておくと、お金の価値が目減りしていくリスクがあります。インフレに備えるためには、いくつかの対策を講じることが重要です。
・資産を分散する
・支出内容の把握と見直し
・自分の家計構造の点検
まず、資産を分散し、株式や不動産などインフレに強いとされる資産を一部取り入れることで、現金だけを保有する場合に比べて購買力の目減りに対応しやすくなります。また、支出内容を細かく把握して見直すことで、無駄や不要な出費を洗い出し、節約につなげることができます。
自分の家計構造を点検することも欠かせません。インフレの影響を受けやすい費目は人によって異なるため、支出を丁寧に見直し、自身の家計の「弱点」を正確に把握することが大切です。
暮らしを守るために
物価上昇による「生活のゆとりの消失」は多くの人に共通する実感であり、今後もしばらくは続く見通しです。しかし、こうした厳しい時代だからこそ、家計の「守り」と「攻め」の両輪が必要です。
まずは現状把握、支出の徹底的な見直し、そして少しでも収入を増やす選択肢を取り入れましょう。インフレに強い金融商品や節約テクニック、分散投資といった知識は、取り入れるだけで将来の安心度が大きく高まります。
私たち一人ひとりの小さな行動の積み重ねが、新しい時代の「ゆとりある暮らし」を創り出す力になるでしょう。
出典
日本銀行 「生活意識に関するアンケート調査」(第102回<2025年6月調査>)の結果 1-2.暮らし向き、消費意識 1-2-1.現在の暮らし向き(5ページ)、1-2-2.収入・支出(6ページ)、1-3.物価に対する実感 1-3-1.現在の物価(10ページ)、1-3-3.5年後の物価(12ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
