【実録】「0800」から“太陽光パネル”の勧誘電話が→話を聞いたら「設置費用300万円」とあまりにも高額! 調べて分かった理由とは? 筆者の体験をもとに注意点も解説

配信日: 2025.07.29 更新日: 2025.09.26
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【実録】「0800」から“太陽光パネル”の勧誘電話が→話を聞いたら「設置費用300万円」とあまりにも高額! 調べて分かった理由とは? 筆者の体験をもとに注意点も解説
先日、スマホの着信履歴に「0800」で始まる番号が残っていました。折り返してみたところ、「屋根に太陽光パネルを設置すれば電気代を大幅節約できます」という勧誘を受けました。
 
太陽光発電は2年ほど前に導入していたのですが、別のプランもあるかもと興味本位で話を聞くと、「割高」「補助金を考慮していない」という印象が強くなりました。
 
本記事では、電話勧誘で提示されるプランの実態と、筆者自身が実際に体験、調査して分かった注意点をまとめています。
宇野源一

AFP

電話勧誘で聞かされた見積の実態

電話口では「5キロワットで総額300万円程度」と説明されました。1キロワットあたりの単価に換算すると、60万円という高額設定でした。
 
一方、筆者が2年ほど前に設置した太陽光パネルは同じ容量で150万円程度。これに蓄電池を加えても、電話をかけてきた業者より大幅に安かったのです。電話口の業者が提示した提示価格は、2年経過して太陽光パネルの設置費用が値上がりした分を考慮してもあまりに高額といえます。
 
また、国や自治体による補助金が一切盛り込まれておらず、自己負担額だけが大きく膨らんでいました。電話では、「24円/キロワットアワーで10年間買い取る」というFIT(固定価格買取制度)の説明もありました。
 
しかし、経済産業省は、2025年度の新規契約では買取価格を上半期は15円/キロワットアワー(住宅用太陽光発電)に下げています。2025年度下半期より初期投資支援スキームが導入され、4年間は24円ですが、5年目から10年目は8.3円になります。このあたりの説明が不十分だと感じました。
 

電話勧誘の典型的な流れ

実際に私が受けた勧誘の流れを以下に簡単にまとめました。
 

1. 簡易ヒアリング

現在の電力会社、年間使用量、屋根の向きなどを数分で聞き取ります。
 

2. 即日見積書送付

「〇〇万円節約」「投資回収〇年」といったシミュレーションをメールで送ってきました。
 

3. 現地調査の圧迫

「無料調査は今月末まで」とせかされ、屋根の写真や図面を提出するよう求められます。
 

4. 即決誘導

現地調査はしてもらいませんでしたが、後日電話があり「見積もり、見てもらえましたか?」「本日契約なら○万円割引」「翌月から○○円節約」などの期限付きで「お得感」を醸し出し契約を迫られました。
 

見落としがちな注意点

筆者の場合は契約せず事なきを得ましたが、今回のような電話で乗り気になってしまう人が見落としがちな注意点は主に4つあります。
 
1つ目は、解約違約金の存在です。電力会社にも現在の電力契約を解約すると1~2万円ほどの違約金が発生するケースがあります。現在契約している電力会社に解約金があるのか、必ず確認しましょう。
 
2つ目は、補助金申請についてです。自治体の補助金を受け取るには、膨大な量の申請書類の提出が必要ですが、業者が代行しないことも多く、自分で申請しなければせっかくの助成が受けられません。
 
また、勧誘を受けて契約をするタイミングでは、すでに補助金自体が締め切られていることも多いため、確認が必要です。
 
3つ目は、保証・メンテナンス費用の有料化です。太陽光パネルや蓄電池には一定の寿命があります。設置後数年で点検やパワーコンディショナーの保証が有料に切り替わり、その後のメンテナンス費用がかさむことがあります。
 
4つ目は、発電量の変動リスクです。屋根の向きや気候、季節によってシミュレーション通りの発電量を得られないケースがあります。電話勧誘をしてくる業者は予測できる最大の数値で提案してくる場合もあり、実際の発電量と乖離(かいり)が出てくることがあるようです。
 

お得に導入するコツ

お得に導入するコツは、まず複数社から見積もりを取得することです。それぞれの業者でパネル性能や施工費、保証内容が大きく異なり、適切に判断するのは大変です。複数の業者の見積もりを比較することで適正価格を把握できます。
 
次に、地元業者の信頼度を調べ、実績豊富でアフターケアに定評のある施工店を選びましょう。さらに、自治体助成をフル活用し、申請時期や必要書類を早めに確認することで自己負担を抑えられます。
 
また、この原稿を執筆している2025年7月現在、売電価格よりも買電価格のほうが高いため、発電した電気を蓄電池にためて自家消費をしたほうが経済的だといえます。このプランを検討することで、売電よりも昼間の自家消費を重視し、設置コストの回収を早めることも可能です。
 

まとめ

電話勧誘で紹介される太陽光発電プランは、見かけの節約額だけに惑わされると割高な投資になるリスクが高いでしょう。
 
補助金や最新のFIT単価を無視した見積もりが多いため、資料請求や現地調査は複数の業者に依頼し、自身でも助成制度の情報をチェックしたうえで判断することが、本当にお得に導入するためのポイントです。
 
執筆者 : 宇野源一
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