都営住宅に住む母に「家賃が安いからうちにおいでよ」と言われました。そのまま同居することは可能でしょうか?
しかし、都営住宅は公営の住宅であり、無条件で誰でも同居できるわけではありません。
本記事では、同居の条件や家賃の仕組みについて整理し、実際に同居することが可能かどうか解説します。
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都営住宅に同居するための条件
都営住宅に本人以外の人を新たに同居させたい場合、以下の条件を満たす必要があります。
1. 同居理由がやむを得ない事情であること
例えば、以下のような事情が認められています。
●結婚やパートナーシップ関係となるとき
●扶養や介護を目的とする同居
●通学を目的とする同居
●立ち退きなどにより住宅事情が困窮しているとき
2.名義人が都営住宅に入居してから最低1年が経過していること
3.居室面積が一人あたり2.4畳以上あること
4.名義人と婚姻・パートナーシップの関係にあたる者、または名義人や婚姻・パートナーシップ相手の一親等内の親族である者
誰でも同居できるわけではなく、子どもや親など、家族関係が明確である必要があります。なお、介護など特別な理由がある場合は、三親等までであれば原則1年間の期限付き同居が許可されるケースもあります。
5.その他の条件
以下の条件も満たしていることが必要です。
●名義人と同居人ともに持ち家がないこと
●暴力団員でないこと
●3ヶ月以上の使用料の未納がないこと
●収入などが東京都の定める都営住宅に入居できる基準内であること
ただ「家賃が安いから」という理由だけで入居することは難しく、母親の扶養や介護など、なんらかのやむを得ない事情が必要になります。
同居の申請方法
都営住宅に同居する場合は、以下のような手続きが必要です。無断での同居は不可のため、必ず手続きを行いましょう。
1.事前相談
同居予定がある場合、まずはJKKお客さまセンターに電話または来所して相談し、同居にあたっての要件や同居申請の必要書類、添付資料を確認します。
2.書類申請
同居には「同居申請」の提出が必要です。あわせて戸籍謄本や住民票、パートナーシップ証明書などの公的書類も添付し、JKK東京の受け持ち窓口に提出します。なお、一部の手続きに限り郵送やオンラインで行えるものもあります。
3.審査
申請後、問題なければ同居許可が下り、同居が可能になります。
都営住宅の家賃(使用料)
都営住宅の家賃(使用料)事情についてご紹介します。
都営住宅の家賃は、世帯所得、住宅のあるエリア、間取り、築年数などによって決定されます。例えば、練馬区の南田中アパートに2人で住む場合のケースでは表1の通りです。
表1
| 所得金額 | 間取り | |
|---|---|---|
| 2DK・36平方メートル (和6・4.5・DK) 昭和44年度建設 |
3DK・55平方メートル (和6・6・4.5・DK) 昭和59年度建設 |
|
| 家賃(月々) | 家賃(月々) | |
| 0円~162万8000円 | 1万7600円 | 3万300円 |
| 162万8001円~185万6000円 | 2万1300円 | 3万6800円 |
| 185万6001円~204万8000円 | 2万5200円 | 4万3500円 |
| 204万8001円~227万6000円 | 2万9100円 | 5万200円 |
| 227万6001円~261万2000円 | 3万3700円 | 5万8000円 |
| 261万2001円~294万8000円 | 3万8600円 | 6万6600円 |
出典:東京都 住宅政策本部「申込み方法、使用料(家賃)、申込みから入居まで」を基に筆者作成
一般的な賃貸住宅とは異なり、都営住宅では世帯所得が増えると家賃も上がる仕組みになっています。
同居によって世帯所得が増加すると、それに合わせて家賃が引き上げられる可能性もあります。事前にシミュレーションしておくと安心でしょう。
一定の条件を満たせば都営住宅での同居は可能
公営住宅への入居には一定の条件がありますが、それらを満たせば同居することが可能です。
都営住宅での同居を検討する際は、まずはJKKお客さまセンターに相談し、必要資料や提出方法を確認する必要があります。
同居が許可されれば、家賃の節約や家事の分担ができるようになります。経済的にも精神的にもメリットが生まれるでしょう。
出典
東京都 住宅政策本部 申込み方法、使用料(家賃)、申込みから入居まで
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
