「食べ放題」で欲張った結果、食べ切れなくなった息子…無駄にした分お店に賠償しなければならないのでしょうか…?
そのとき「これって、お店に迷惑かけたのでは?」「残した分、追加料金を請求されるのでは?」という不安が頭をよぎるでしょう。
今回は、「食べ放題で食べ残した場合に損害賠償が必要なのか?」という疑問を、法律・店舗ルールの2つの視点から分かりやすく解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
食べ放題は「定額で食べられる契約」だから食べ残しても違法ではない
まず前提として、食べ放題は「一定料金で制限時間内に自由に飲食できる」契約になっています。この契約のもとでは、多少食べ残したとしても、それだけで違法行為や損害賠償の対象になることはないでしょう。
民法の考え方でも、「対価(お金)を払ってサービスを受ける」契約において、多少の使い残しや消費しきれないものがあっても、それ自体が損害と見なされることは通常ありません。
したがって、食べきれなかったからといって、自動的にお店に賠償責任が発生することはないと考えられます。
ただし「ルール違反」があると追加料金の可能性も
とはいえ、すべての食べ残しが問題にならないわけではありません。
最近の食べ放題レストランでは、以下のような注意書きを見かけることが増えています。
・食べ残しが多い場合は追加料金を頂戴する場合があります
・食材の持ち帰りは禁止です
・食品ロス削減のため、取りすぎにはご注意ください
このように書かれている場合、お店のルールに同意したうえで入店していると見なされます。つまり、「食べ残し=契約違反」とみなされ、状況によっては追加料金が発生する可能性もゼロではないでしょう。
ただしこの場合も、通常は数百円〜1000円程度の「ルール違反に対する追加精算」であって、「損害賠償請求(高額な金銭の負担)」にはなりません。
子どもが食べ残したらどうすればいい? 親の対応がカギ
では、実際に子どもが食べきれずに残してしまった場合、どう対応するのがベストでしょうか。大切なのは、「お店の迷惑になる行為だったかもしれない」と気づいたときに、親として誠意ある態度を取ることです。
1. スタッフに一言伝える
「すみません、子どもが食べきれなくて……」と軽く声をかけるだけでも、お店側の印象は変わります。誠実な対応をすれば、店のルールによっては追加料金を求められることはないかもしれません。
2. 親が一部をフォローして食べる
もし可能であれば、親が食べられる分を代わりに食べて残さないようにするのも一つの手段です。無理は禁物ですが、明らかに余ってしまった料理を少しでも減らすことで、お店への配慮にもなります。
明らかな悪意がない場合は問題がないことが多い
実際、多くの飲食店では「お客さまが楽しく食事すること」が第一です。多少の食べ残しがあっても、明らかな悪意や常識外の行動でなければ問題になることはほとんどないといえるでしょう。
しかし、以下のようなケースは例外です
・おすしやステーキなど高級なものばかり大量に取り、ほとんど食べずに残す
・食材をテーブルに放置し、ぐちゃぐちゃにして帰る
・お店の注意を無視し、何度もルール違反を繰り返す
このような行為があれば、「退店を求められる」「今後の入店を断られる」「追加料金が発生する」などの対応をされることもあるでしょう。
まとめ:賠償の必要は基本なし。ただし、マナーと配慮は忘れずに
食べ放題で子どもが料理を残してしまったとしても、それ自体で損害賠償を求められることはほとんどありません。
ただし、お店のルールに反する食べ残しや、明らかに迷惑をかける行為は避けるべきです。子どもにとっては「好きなだけ取れる!」という非日常の楽しさもありますが、それと同時に「自分が食べられる量を考える」「無駄にしない」という学びの機会でもあります。
親としては、次回から注文の量を見守ったり、「これは多いかもね」と声をかけたりすることで、楽しい食事とマナーを両立できる体験を作ってあげることが大切です。家族みんなで「おいしく、気持ちよく」食べ放題を楽しむために、ちょっとした気配りを忘れずに過ごしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
