出産は保険適用外で「50万円」かかると聞き、不安です。妻と「そろそろ子どもを…」と話していますが、実際の医療費や公的支援はどのくらいでしょうか?
本記事では、出産費用の最新データ、保険適用の有無、そして活用できる支援制度についてわかりやすく解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
出産費用は本当に50万円? 全国平均と地域差
厚生労働省「出産費用の状況等について」によると、令和5年度の正常分娩の出産費用(分娩費・入院費などの合計)は全国平均で50万6540円です。ただし地域差が大きく、最も高かったのは東京都で平均62万5372円、最も低かったのは熊本県で38万8796円と20万円以上の差があります。
このため「50万円」というのは全国的には妥当な目安ですが、都市部では平均を超えることも珍しくありません。また、個室利用や無痛分娩、オプションサービスを追加すると費用はさらに上がります。
なぜ出産は保険適用外なのか? 例外ケースも解説
健康保険は「病気やけがの治療」に使われる制度です。正常分娩は病気ではないため、公的医療保険の対象外となります。これが「保険適用外」といわれる理由です。
ただし、帝王切開や切迫早産など医学的な理由での入院・処置は保険適用となります。この場合、高額療養費制度を使えば自己負担が大幅に軽減されます。出産前に合併症リスクがある場合は、保険適用の可能性を医師に確認しておくと安心です。
出産費用を軽減できる主な公的支援制度
・妊婦のための支援給付
医療機関で妊娠が確認された後、各自治体の窓口へ妊婦給付認定申請を行うと5万円支給されます。また、出産予定日の8週間前以降に妊娠している子どもの人数を届け出後、子ども一人あたり5万円支給されます。
・出産育児一時金
健康保険から1児につき50万円支給されます。申請および支払いには「直接支払制度」、「受取代理制度」、「償還払い制度」の3つの方法があります。
「直接支払制度」は多くの医療機関で導入されており、請求手続き不要で費用から差し引かれます。
例:出産費用55万円 → 一時金50万円 → 自己負担5万円
・出産手当金
会社員や公務員で産休を取る場合、健康保険へ申請することで、給与の約3分の2が支給されます(産前42日・産後56日分)。
・育児休業給付金
雇用保険加入者が育児休業を取得した場合、休業開始から180日間は給与の67%、その後は50%が支給されます。
自治体独自の助成や申請のポイント
多くの自治体では、出産や子育てに関する独自の助成制度があります。例として、東京都世田谷区では出産後子ども一人あたり5万円の出産費助成制度があります。また、大阪市では妊婦健康診査の自己負担分を全額助成する制度があります。
ただし、自治体によって支援内容・金額・申請期限が異なります。出産予定の医療機関と住民票のある自治体の両方で制度を確認し、早めに申請準備を進めましょう。
まとめ:支援制度を組み合わせて安心出産計画を立てよう
出産費用は全国平均で約50万円ですが、地域や施設によって差があります。正常分娩は保険適用外ですが、公的支援を活用すれば自己負担を減らせます。
特に出産育児一時金はほぼ全員が対象で、出産手当金や育児休業給付金、自治体の独自助成を組み合わせれば、経済的負担を大幅に軽減できる場合があります。これから出産を考える方は、費用の全体像と支援制度を早めに把握し、安心して新しい家族を迎える準備を進めましょう。
出典
厚生労働省保険局 第186回社会保障審議会医療保険部会 【資料4】出産費用の状況について
こども家庭庁 妊婦のための支援給付のご案内
厚生労働省 出産育児一時金等について
全国健康保険協会 出産手当金について
厚生労働省 育児休業等給付の内容と支給申請手続
世田谷区 世田谷区出産費助成制度
大阪市 妊婦健康診査
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
